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社会保険旬報 Web医療と介護

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記事一覧

6年度介護報酬改定の効果検証へ調査研究事業(2024年8月28日)

厚労省は8月28日の社会保障審議会介護給付費分科会の「介護報酬改定検証・研究委員会」に、令和6年度介護報酬改定の効果検証のための6年度調査研究事業の調査票案を提示した。 調査研究事業は、①高齢者施設等と医療機関の連携体制等にかかる調査研究事業②福祉用具貸与価格の適正化に関する調査研究事業③リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び 一体的取組に関する調査研究事業④地域の実情や事業所規模等を踏まえた持続的なサービス提供の あり方に関する調査研究事業―の4つ。 9

厚労省の令和7年度概算要求 過去最大の34兆2763億円(2024年8月28日)

厚労省は8月28日、令和7年度予算の概算要求を発表した。概算要求額は過去最大の34兆2763億円で、前年度当初予算と比較して4574億円の増加となった。大半を占める年金・医療等の経費は32兆4375億円となり、前年度当初予算と比べ3677億円の増加となっている。 年金や医療等の経費は、概算要求基準で前年度当初予算の年金・医療等の経費の相当額に、「高齢化等に伴ういわゆる自然増」として4100億円を加算した(下図)。 内訳は厚労省が約3700億円で、こども家庭庁が約400億円

地域包括診療料など9月末までの経過措置、引き続き算定する場合は施設基準の届出が必要(2024年9月11日)

令和6年度診療報酬改定により、医療DX関連の評価として、医療DX推進体制整備加算や在宅医療DX情報活用加算、訪問看護医療DX情報活用加算などが新設された。また、一般病棟用などの各「重症度、医療・看護必要度」や、療養病棟入院基本料における「医療区分」に係る見直しのほか、データ提出加算に係る届出を要件とする入院料の範囲が拡大された。 上記の新設や見直し等に伴い、経過措置が定められているものも多数項目におよぶほか、経過措置の期限を迎える項目で、引き続き算定する場合には届出が必要と

新たな地域医療構想、年内まとめへ——厚労省が基本方針を提示(2024年8月26日)

厚労省は8月26日、新たな地域医療構想等に関する検討会において、目指すべき医療提供体制の「基本的な考え方」と「基本的な方向性」の案を提示した。2040年を見据えた新たな地域医療構想については、入院医療だけでなく、外来医療・在宅医療、介護との連携等を含む、医療提供体制全体の構想を策定する。検討会は年内のとりまとめに向け、今後は入院や外来、在宅医療、介護との連携など各論の議論に入る。 地域医療構想に関して、これまでの議論を踏まえた「基本的な考え方」が示された。 増加する高齢者

身体的拘束ゼロへ取組みを推進 報酬改定を踏まえ 日慢協(2024年8月22日)

日本慢性期医療協会の橋本康子会長は8月22日の会見で、令和6年度の診療報酬改定を受け、身体的拘束の最小化およびゼロへ向けた取組みを推進する考えを強調した。 令和6年度診療報酬改定により、身体的拘束最小化に関する基準が達成されない場合は入院基本料などから1日につき40点の減算となる。これについて橋本会長は「身体的拘束最小化に向けて体制整備が必須」との認識を示した。加算点数が上がる一方で、身体的拘束時の減算が拡大した認知症ケア加算については、「身体的拘束の有無は経営に与える影響

10月からの医療DX推進体制整備加算の見直しで疑義解釈――医療情報取得加算は12月から読み替えで対応(2024年9月3日)

厚労省保険局医療課は9月3日付けで「医療情報取得加算及び医療DX推進体制整備加算の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1)」 を発出し、医療情報取得加算に係る既存の疑義解釈の一部の読み替えと、10月1日から見直される医療DX推進体制整備加算に係るQ&Aを示した。 医療情報取得加算は、現行ではマイナ保険証を利用する場合と現行の健康保険証を利用する場合で点数が異なっているが、12月2日に現行の健康保険証の新規発行は終了するため、12月1日から、マイナ保険証を利用する場

賃上げ促進税制の税額控除上限の引き上げなどを求める 日医が税制要望を発表(2024年8月28日)

日本医師会は8月28日、令和7年度の税制要望を発表した。社会保険診療等の控除対象外消費税については、前年度と同様の主張を盛り込み、「診療所においては非課税のまま診療報酬上の補てんを継続しつつ、病院においては軽減税率による課税取引に改めること」とした。新規項目としては、賃上げ促進税制の税額控除上限の引き上げなどを求めている。 日医の税制要望は以下の10項目。 社会保険診療等に係る消費税制度の見直し 医業承継時の相続・贈与に関する税制措置 医療機関に対する事業税特例措置の

マイナ保険証利用実績が著しく低い医療機関には個別に事情確認等の働きかけを実施――カードリーダー増設支援等の補助金は11月まで再延長(2024年8月30日)

厚労省の社保審・医療保険部会は8月30日、マイナ保険証の利用促進策について議論した。今後、マイナ保険証の「利用実績が著しく低い医療機関・薬局」を対象に利用促進に関する支援を行い、地方厚生局が個別に事情を確認するなどの働きかけを実施することが報告された。対象となる医療機関・薬局にはメールなどで事前に周知される予定だ。また、令和6年10月から医療DX推進体制整備加算の最低利用率が適用されることを踏まえ、厚労省は窓口での声かけなど利用促進の取り組みを、改めて医療機関等に呼びかける。

出産の保険適用で妊産婦当事者等は費用負担の軽減を期待(2024年8月21日)

厚労省・こども家庭庁の「妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会」(田邊國昭座長)は21日、妊産婦の当事者および妊産婦の声を伝える参考人からヒアリングを行った。 妊産婦の当事者らに出産費用の保険適用により期待することを尋ねたところ、「費用負担の軽減」との回答が複数あがった。一方で、保険適用による不安・心配する点について尋ねると「保険適用によって、従来の自由診療ではできていた医療行為ができなくなる事態を心配している」「保険適用される範囲と適用外の範囲に分かれる

医療の違反広告「指導・措置等の実施手順書のひな型」違反を3項目に分類(2024年8月22日)

厚労省の医療機能情報提供制度・医療広告等に関する分科会(尾形裕也分科会長)は22日、不適切な医療広告を防ぐための対策の実効性を高めるため、医療広告ガイドラインに基づく標準的な対応期限を含めた指導・措置の実施手順書のひな型を了承した。違反を3つに分類し、それに基づく指導・措置のステップも示した。ひな型は都道府県に通知され、自治体の違反広告対策に活用される。 美容医療などのウェブサイトが医療広告規制に違反していないかを監視しているネットパトロール事業によると、違反広告が発見され

医療DX推進に向けた全体像示す 医療保険部会(2024年8月30日)

厚労省の社保審・医療保険部会は8月30日、医療DXの推進に向けた検討の全体像を示した。「全国医療情報プラットフォームの構築」「医療等情報の二次利用の推進」「支払基金の抜本改組等」の3つを取り組みの柱としており、電子カルテ情報の二次利用のためのデータベース構築や、支払基金の改組等を掲げている。 医療保険部会に「医療DXの推進に関する法整備に向けて検討が必要な事項の全体像(案)」が示された(下図)。 このうち「医療等情報等の二次利用の推進」に関しては、電子カルテ情報データベー

児童思春期支援指導加算の施設基準に適合する研修を例示(2024年8月29日)

厚労省保険局医療課は「疑義解釈資料の送付について(その11)」(QAその11) を8月29日に発出し、児童思春期支援指導加算の施設基準に適合する研修を例示した。 QAその11では、児童思春期支援指導加算の施設基準に規定する「児童思春期の患者に対する精神医療に係る適切な研修」について、現時点で以下のものが該当するとした。 日本精神科病院協会が実施する「児童・思春期精神医学対策講習会スタンダードコース」 日本児童青年精神医学会が実施する「児童思春期精神医療研修」 国立国際

医師不足対策を厚労省と文科省に提言 地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会(2024年8月9日)

医師少数県12県で構成する「地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会」(会長=達増拓也岩手県知事)は9日、「医師不足や地域間偏在の根本的な解消に向けた実効性のある施策の実施を求める提言」を厚労省と文科省に提出した。提言では、医療従事者の養成・確保や医師の地域偏在解消のための仕組みづくりなどを提案している。 医師をはじめとする医療従事者の養成・確保については、大学医学部の医師養成体制の強化を求めた。具体的には、医学部臨時定員地域枠について「医師少数県の医学部臨時定員増を延長す

ニルセビマブ投与患者は小児科外来診療料を算定しない(2024年8月29日)

厚労省は8月29日、5月に薬価収載された抗体製剤「ニルセビマブ(ベイフォータス)」について、小児科外来診療料および感染症免疫学的検査の「RSウイルス抗原定性」における取扱いを事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その11)」(事務連絡その11)で示した。 事務連絡では、B001-2小児科外来診療料において、ニルセビマブは「別に厚生労働大臣が定める薬剤」として特掲診療料の施設基準等告示で示されている「パリビズマブ(シナジス)」と同様に取り扱うこととし、ニルセビマブを投与してい