経済財政諮問会議が社会保障改革を議論(2024年12月3日)
政府の経済財政諮問会議は12月3日、社会保障改革について議論した。民間議員は社会保障の持続可能性確保に向けて、給付と負担の改革の継続を求めた。
写真:予算編成の基本方針や持続可能な地方行財政・社会保障に向けて議論を行う石破首相ら経済財政諮問会議=2024年12月3日・総理大臣官邸(首相官邸提供)
民間議員は、「持続可能性の確保に向けた社会保障改革」と題する意見書を提出した。意見書で、社会保障改革は健康で生涯活躍できる社会を実現するほか、保険料負担の上昇の抑制による可処分所得の拡大への寄与など、成長型経済への移行と国民の安心・安全の確保を支える上で重要な役割を果たすと指摘した。その上で、経済物価動向等を踏まえながら、社会保障費の実質的な増加を高齢化による増加分に相当する伸びに収めて行くことが求められるとした。
意見書では次の3つの考えを提示した。
社会保障給付費の対GDP比を抑制し、制度の持続可能性を確保するため、給付と負担の改革の継続が必要
来年度予算では歳出改革努力を継続するとともに、賃金・物価上昇への対応が必要
全世代型社会保障の改革工程は子育て世代への支援強化の財源捻出につながるもので、着実に実行すべき
医師偏在是正の具体策として、医師多数の区域や診療科等における実効性のある規制的手法による新規参入規制や新陳代謝の促進、診療報酬等のメリハリ付けによる経済的インセンティブを組み合わせて実施すべきと提案した。
新たな地域医療構想での対応を指示
石破茂首相は福岡資麿厚生労働大臣に対し、この日の議論を踏まえ、「特に年収の壁への対応を含め、働き方に中立的な制度の構築に向けた年金制度改革や新たな地域医療構想を始め医療・介護提供体制の課題」に関する検討の結論を得て、来年の通常国会への各種法案提出に臨むよう指示した。