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介護職員数が前年を初めて下回り212.6万人(2024年12月25日)

厚労省は12月25日、介護職員数の推移を公表した。令和5年10月1日時点の介護職員数は合計212.6万人となり、前年より2.9万人減少した。介護職員数の合計が前年を下回ったのは2000(平成12)年度以来初めて。

厚労省は「介護サービス施設・事業所調査」「介護保険事業状況報告」等を取りまとめた「介護職員数の推移」を公表した。これによると、介護保険給付の対象となる介護サービス事業所・介護保険施設に従事する介護職員の合計は令和5年10月1日時点で約212.6万人となり、前年を2.9万人下回った(下図)。

サービス類型を見ると、いずれの類型においても職員数は減少傾向が見られたが、小規模多機能型居宅介護は前年並みを維持した。

  • 総合事業:13.8万人(前年比▲0.3万人)

  • 訪問系サービス:53.8万人(▲0.9万人)

  • 通所系サービス:34.4万人(▲0.8万人)

  • 入所系サービス:102.6万人(▲1.0万人)

  • 小規模多機能型居宅介護など:7.9万人(±0.0)

要介護・要支援認定者は705万人

要介護(要支援)認定者数については、令和5年9月末現在で705.3万人に上っている(上図折れ線)。制度創設当初の平成12年度(244万人)と比較すると、令和5年度の要介護(要支援)認定者数は2.9倍になる。同様に比較すると、令和5年度の介護職員数は平成12年度の3.9倍に増加している。

なお、令和5年9月末現在の要介護(要支援)認定者数のうち、男性は225.0万人(31.9%)、女性は480.2万人(68.1%)となっている。第1号被保険者に対する65歳以上の認定者数の割合は、約19.3%となっている。

年間6.3万人の増加が必要

国においては今後、⑴介護職員の処遇改善、⑵多様な人材の確保・育成、⑶離職防止・定着促進・生産性向上、⑷介護職の魅力向上、⑸外国人材の受入環境整備などにより、総合的な介護人材確保対策に取り組むとしている。

社会保障審議会介護保険部会(2024年12月23日)「資料3」

一方で、介護職員の必要数は2026年度で約240万人、2040年度には約272万人に達すると見込まれている(上図)。2022年度を起点とすると2026年度に向けては年間6.3万人の増加が必要とされており、人材確保策の実効性が問われるかたちとなっている。

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