数理の目レトロスペクティブ|#4 世代間の公平性という議論
平成16年改正のときの論点のひとつに「世代間の公平性」があった。少子高齢化の進展のもと、給付水準が抑制され保険料が引き上げられていく中で、現在の若齢世代は支払った保険料に見合う給付を受け取れないかもしれない、という素朴な感情が、この議論を引き起こしたと考えられる。現在〈2007年〉の厚生年金の保険料率は15%弱であるが、2017年からは18.3%になる。一方で給付水準は徐々に削減され、現在〈2007年〉よりは2割弱低くなる見通しであることから、支払った保険料に見合う給付を受