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年金時代(無料版)

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重版出来! 届出・手続事務はこの1冊で万全『社会保険の事務手続(総合版)』令和5年度版

社会保険研究所から4月中旬に『社会保険の事務手続(総合版)』令和5年度版が発刊されました。1967年の初版から56年、今年も全国の公的機関、企業の社会保険ご担当者様にご予約、ご採用いただき皆様のお手元にお届けしております! 感謝をこめて賞与シーズンに試し読み「賞与を支給したとき」を以下に公開いたします。 賞与を支給したとき-標準賞与額と賞与支払届年3回以下の賞与が標準賞与額の対象賞与も保険料や年金給付の対象 賞与についても、健康保険・厚生年金保険の毎月の保険料と同率の保険

60歳以上の従業員雇用に関する法制度を知ろう『高年齢者雇用・年金マニュアルシート』

令和5年9月に社会保険研究所から発刊しました「令和5年度版 高年齢者雇用・年金マニュアルシート」(監修 ドリームサポート社会保険労務士法人)は、60歳以上の従業員を雇用する会社等が知っておくべき法制度について、わかりやすくコンパクトに解説したシートです。 具体的には、①65歳までの高年齢者雇用確保措置の3つの選択肢、②70歳までの高年齢者就業確保措置の5つの選択肢、③定年後再雇用時の同一労働同一賃金の法規制、④再雇用時の無期転換ルール、⑤雇用保険の高年齢雇用継続給付、⑥令和4

モデル年金の示し方に共働き世帯や単身世帯を追加する方向性を検討――第9回年金部会

厚生労働省の社会保障審議会年金部会(部会長=菊池馨実・早稲田大学理事・法学学術院教授)は11月21日、マクロ経済スライドによる調整期間の一致や年金給付水準の示し方について議論した。 賃金や物価によって年金の給付水準を調整するマクロ経済スライドは、デフレ経済による賃金や物価の伸びの低迷などによって調整期間が長期化し、2019年財政検証における追加試算によると、現行制度のままだと基礎年金は2046年、厚生年金(報酬比例部分)は2025年に調整期間が終了する見通しとなっている。基

雇用保険の適用拡大を労政審がおおむね了承―今後は適用基準とされる週所定労働時間が論点

厚生労働省の労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会は11月22日、これまで適用対象とされていなかった週所定労働時間20時間未満の労働者に対し、雇用保険の適用を拡大する方針をおおむね了承した。 週10時間以上までの適用拡大で最大500万人が新規適用 今後は、適用基準とする週所定労働時間をどこまで引き下げるかが論点だ。 週20時間未満で就労する労働者は直近(2022年)で約718万人いるが、週10時間以上まで適用拡大した場合は最大で約500万人、週15時間以上まで適用拡大し

#45|年収の壁、突破への道筋は会社主導で

年末の足音が近付いてきた今日この頃、カフェでアルバイトしている大学生の娘に、夫が「今年は年収どれくらい? 扶養の範囲超えていないよね」と確認しています。大学生は勉強するのが本業ですから、親としては扶養の範囲内でアルバイトするのが当然とも考えます。では、企業で働くパートタイマー等はどうでしょうか。 最近、「106万円の壁」「130万円の壁」という言葉を、頻繁に新聞やテレビのニュースでも耳にするようになりました。これは、岸田内閣が「年収の壁」対策を打ち出し、扶養を意識して働く

「年収の壁」の当面の対応策とされる「社会保険適用促進手当」とは―厚生労働省Q&A公表

厚生労働省は10月20日、標準報酬月額・標準賞与額の算定に考慮されない「社会保険適用促進手当」のQ&Aを公表した。 厚生労働省10月20日公表、社会保険適用促進手当に関するQ&A 社会保険適用促進手当は、短時間労働者が社会保険に適用され、新たに保険料負担が発生することに伴う手取り収入の減少を敬遠し、就業調整を行うといったいわゆる「年収の壁」を打破するため、政府が実施した当面の対応策の1つで、本人の保険料負担分を上限に保険料算定から除外される手当として事業主が支給できる。最

厚労省が「年収の壁」支援強化パッケージを公表―10月1日から実施

厚生労働省は9月27日、いわゆる「年収の壁」の支援強化パッケージを公表し、「106万円の壁」「130万円の壁」への当面の対応策を示した。 厚生労働省 年収の壁・支援強化パッケージ 年金制度の改正が予定される令和7年度までの措置として、令和5年10月から実施していく。このほか、収入要件がある配偶者手当を規定している企業に見直しを促すよう周知を強化する方針も示した。 いわゆる「年収の壁」とは、就労している第3号被保険者のうち、収入増に伴い第1号被保険者または第2号被保険者に

第43回日本年金学会総会・研究発表会が開催される

変化していく環境に対する発信が年金学会の使命 日本年金学会代表幹事の玉木伸介氏(大妻女子大学短期大学部 教授)は、冒頭のあいさつで「いま年金の世界では、財政検証に向けた議論が進行中であり、年金学会および研究発表会を行うには大変適したタイミングだと思っている。今の議論の環境を見て一つ望ましいことは、臨時国会や通常国会が年金国会になるという話は全くないこと。このように落ち着いた環境の中で、冷静で合理的な議論が行われるということは大変喜ばしいことではないかと思われる」と述べた。

第43回日本年金学会総会・研究発表会 基調講演「公的年金制度と労働供給」 講演要旨

公的年金制度と労働供給清家 篤 氏 日本赤十字社 社長 / 慶應義塾 学事顧問 労働力人口の減少が公的年金制度の課題 年金制度については、大問題をかかえ、この問題解決しないと日本の社会保障は、どうにもならないという状況はすでに脱し、今はそういう状況ではない。年金は、医療や介護に比べてそれほど給付は増えないことが、年金の問題が大きく意識されていないことの一つ目の理由だ。二つ目の理由としては、年金は基本的には保険料や税金で財源を得て、そして、年金給付というお金で給付を行うとい

第43回日本年金学会総会・研究発表会 特別講演「これから5年で確実に起こる雇用シフト」講演要旨・シンポジウム 討議要旨

特別講演「これから5年で確実に起こる雇用シフト~年金財政には吉と出る~」海老原 嗣生 氏 大正大学 特命教授 人手不足は非正規人材において顕著 人手不足と言われる中、大卒者はこの30年で1.6倍に増加した。大卒ホワイトカラーの人手不足は景況によるもので、不況になれば少子化社会でも大卒は余る。一方、高卒者はこの30年で5分の1まで激減し、構造的な人手不足。販売サービスや製造業の現業職はとてつもなく採用困難になっていく。 この25年で生産年齢人口(15~64歳)は激減したが

国の年金の支給開始年齢と繰上げ・繰下げ受給【試し読み公開中】

『今日から始める!ライフプラン』(社会保険研究所刊/A4判・本文80頁)はライフプラン作りのノウハウが詰まったテキストとして、また退職準備に必須の年金や雇用保険、健康保険等社会保険の給付・手続きがわかる手引書として、セミナーを主催する公的機関や企業の担当者、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーの皆さまにご採用いただき、ライフプランの最初の一歩を踏み出す皆さまにご好評をいただいています。 感謝をこめて、『今日から始める!ライフプラン』令和5年度版から、「国の年金の支給開始

「老後資金2,000万円問題」から考えるライフプランの重要性と企業年金の価値

「老後資金2,000万円問題」とは 将来への備えとして、老後にいくら準備しておくと安心でしょうか。この質問を聞いて「2,000万円」という金額を思い浮かべる人も多いでしょう。 老後資金として2,000万円の備えが必要、と騒がれた、いわゆる「老後資金2,000万円問題」は、2019年6月に公表された金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」の一部の内容がマスコミに取り上げられたことによるものでした。2017年度の家計調査報告によると、高齢夫婦

適用拡大の広報に必要な情報収集について議論――第2回適用拡大広報アドバイザー会議

厚生労働省の被用者保険の適用拡大に関する効果的な広報のためのアドバイザー会議(座長=上田憲一郎・帝京大学経済学部経営学科教授)は11月15日、被用者保険の適用拡大に関する広報コンテンツを作成するうえで必要となる基礎資料などについて検討を行った。 適用拡大の広報資料に関する調査業務を受託している事業者は、広報コンテンツが①事業主が企業で社会保険の適用を進めようと意思決定するとき②事業主が従業員と社会保険の加入について相談するとき③従業員が家族と働き方の変更について相談するとき

単身未婚高齢者の増加を見据えた年金政策などを提言――第97回年金数理部会

厚生労働省の社会保障審議会年金数理部会(部会長=翁百合・日本総合研究所理事長)は11月13日、将来推計人口について慶應義塾大学経済学部教授の石井太氏による基調講演や意見交換をオンラインセミナー形式で開催した。 石井氏は、公的年金の財政検証に使用される「日本の将来推計人口(令和5年推計)」について解説。21世紀はわが国がこれまで歴史上経験したことのない人口減少社会になっていることや、0~14歳の年少人口や15~64歳の生産年齢人口が減少する一方で、65歳以上の老年人口が増加す