マガジンのカバー画像

社会保険旬報 Web医療と介護

3,427
医療・介護の制度動向を中心に「確かな」ニュースや読み物を提供。メール会員(無料)には週1回新着記事の見出しをお届けします。会員登録➡ https://x.gd/kblqr
運営しているクリエイター

#社会保険旬報Web医療と介護

2040年に向けたサービス提供体制のあり方検討会が初会合(1月9日)

厚労省は1月9日、2040年に向けたサービス提供体制のあり方検討会の初会合を開いた。 2040年に向けて、地域別のサービス提供モデルや支援体制の構築をめざし、高齢者等に係る施策や、他の福祉サービスも含めた共通の課題等の検討を行う。春ごろに中間とりまとめを行う予定。 座長に早稲田大学教授の野口晴子氏を選任した。 次回会合は2月開催で、先進的な取り組みを行う自治体や事業所ヒアリングを予定している。 人口減少の進捗に応じて「時間軸」と「地域軸」の視点で検討厚労省の黒田秀郎老

被用者保険の適用拡大で国保の加入者は110万人減(2024年12月12日)

社会保障審議会医療保険部会は12月12日、被用者保険の適用拡大について議論を行った。厚労省は「賃金要件の撤廃」「企業規模要件の撤廃」「非適用業種の解消」を実施した場合の医療保険財政への影響試算を公表した。試算によれば、協会けんぽ以外の保険者は収支がプラスとなる。 試算によると、適用拡大が与える財政影響は次の通り。 協会けんぽ:▲510億円 健保組合:+190億円 共済組合:+280億円 市町村国保:+170億円 適用拡大で国保の加入者は110万人減加入者数の変動に

要介護認定審査に要した日数を公表 法定期間超過の実態受け(2024年12月9日)

社会保障審議会介護保険部会は12月9日、要介護認定の審査期間について議論した。部会において厚労省は、認定審査期間の都道府県・保険者別の平均日数を同省ホームページで公表する方針を示した。 要介護認定については、介護保険法で「申請日から30日以内に認定する」と規定されている。しかし、令和4年度下半期における認定に要する平均日数は40.2日に達しており、規定を大幅に上回っている。この状況を受け、6月に閣議決定された規制改革実施計画では、要介護認定に関する規制改革とその実施時期が盛

報酬改定による急性期・回復期病院への経営影響を公表 WAM(2024年11月27日)

福祉医療機構(WAM)は11月27日、令和6年度診療報酬改定の影響を分析したアンケート調査(急性期および回復期関連)の結果を公表した。10月以降の経過措置終了後に、急性期一般入院料1の該当患者割合を「満たすことができない」との回答が回答病院の1割を占めた。地域包括ケア病棟入院料では、2024年度改定で導入した入院料の「逓減制」により、回答病院の2割以上が減収となった。調査は9月9日から10月11日までWeb形式で実施され、298法人から回答を得た(回答率20.3%)。 急性

介護職員数が前年を初めて下回り212.6万人(2024年12月25日)

厚労省は12月25日、介護職員数の推移を公表した。令和5年10月1日時点の介護職員数は合計212.6万人となり、前年より2.9万人減少した。介護職員数の合計が前年を下回ったのは2000(平成12)年度以来初めて。 厚労省は「介護サービス施設・事業所調査」「介護保険事業状況報告」等を取りまとめた「介護職員数の推移」を公表した。これによると、介護保険給付の対象となる介護サービス事業所・介護保険施設に従事する介護職員の合計は令和5年10月1日時点で約212.6万人となり、前年を2

介護保険に新たな公費投入を求める声も 制度改正議論がスタート――第116回介護保険部会(2024年12月23日)

厚生労働省は12月23日、「第116回社会保障審議会介護保険部会」を開催した。 議題は「介護保険制度をめぐる状況について」となっており、主な検討事項案などが示された。 これにより、2027年度から始まる第10期介護保険事業計画実施期間に反映される、介護保険制度の見直し議論がスタートされた形となる。 今後、2025年末までのおよそ1年をかけた議論を行い、制度改正へと進められていく見込みとなっている。 5つのテーマ案を設定し、新たな検討会を設置次期制度改正に向けた状況とし

経済財政諮問会議が社会保障改革を議論(2024年12月3日)

政府の経済財政諮問会議は12月3日、社会保障改革について議論した。民間議員は社会保障の持続可能性確保に向けて、給付と負担の改革の継続を求めた。 写真:予算編成の基本方針や持続可能な地方行財政・社会保障に向けて議論を行う石破首相ら経済財政諮問会議=2024年12月3日・総理大臣官邸(首相官邸提供) 民間議員は、「持続可能性の確保に向けた社会保障改革」と題する意見書を提出した。意見書で、社会保障改革は健康で生涯活躍できる社会を実現するほか、保険料負担の上昇の抑制による可処分所

健保連など被用者保険5団体が医師偏在是正へ意見書(2024年11月29日)

健保連、協会けんぽ、経団連、日本商工会議所および連合の5団体は11月29日、「医師偏在是正に向けた被用者保険関係5団体の意見」を福岡資麿厚労相に提出した。医師偏在対策における基本的な考え方として、「医師多数対策と医師少数対策の一体的な実施が重要である」と強調した。その上で、「都道府県と大学病院の連携協定による医師派遣調整機能や、国による全国的なマッチング機能を強化しつつ、規制的手法を中心に、より強力な対応を進めるべきだ」と主張した。 写真:経団連ホームページ 厚労省に対し

医師養成過程を通じた医師の偏在対策をまとめる(2024年11月29日)

厚労省の「医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会」(遠藤久夫座長)は11月29日、医師の養成過程を通じた医師偏在是正策の内容を大筋で了承し、取りまとめに必要な文言調整などについて座長一任とした。 医師偏在是正策のうち、医師の養成過程に関する部分の主な柱は以下の4点にまとめられる。 医師多数県の臨床研修募集定員の上限5%以上を対象に、医師少数県などで24週以上の研修を取り入れる「臨床研修の広域連携型プログラムの制度化」 学会や病院団体の協力を得て、総合診療に関

ヘルスケア産業PFが中間年薬価改定の廃止などを要請(2024年12月2日)

医薬品・医療機器関連の労働組合で構成するヘルスケア産業プラットフォーム(篠原正人代表、写真左から3人目)は12月2日、中間年薬価改定の廃止などを盛り込んだ薬価・材料制度改革を求める要請書を厚生労働省の内山博之医薬産業振興・医療情報審議官に提出した。 要請書(下記)では、①中間年薬価改定の廃止②各流通当事者が不採算に陥ることのない、安定供給に資する薬価・流通・材料制度の構築③イノベーション創出および良好な患者アクセスを実現する薬価・材料制度の構築④予防やセルフメディケーション

高額療養費の引き上げ試算、10%で保険料▲3500億円(2024年12月5日)

社会保障審議会・医療保険部会は12月5日、高額療養費制度の見直しについて議論した。厚労省は、高額療養費の自己負担限度額を一律5~15%引き上げた場合の試算を提示。10%引き上げた場合、年間の保険料は▲3500億円、給付費は▲5000億円、実効給率の低下幅は▲0.59%の効果がみられた。 写真:医療保険制度改革等を議論する社会保障審議会医療保険部会=12月5日 試算では、住民税非課税区分を除く各所得区分を細分化した上で、機械的に自己負担限度額を5%、7.5%、10%、12.

介護保険法、公的DBでの仮名化情報活用に向け改正へ――第115回介護保険部会(2024年12月9日)

厚生労働省は12月9日、「第115回社会保障審議会介護保険部会」を開催した。 議題は「①医療等情報の二次利用に係る現状と今後の対応方針について」と「②要介護認定の認定審査期間について」。 このほか、その他として「介護DXの先行実証について」および「「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」の中間整理について」が報告された。 介護DBとは異なる新たな公的DBを設定―仮名化情報の利活用へ「①医療等情報の二次利用に係る現状と今後の対応方針について」では、二次利用を進めてい

国民民主が中間年薬価改定廃止を石破首相に申入れ(2024年12月6日)

国民民主党は12月6日、石破茂首相に対し、中間年薬価改定廃止を求める緊急申し入れを行った。 写真:石破茂首相・福岡資麿厚労大臣に、中間薬価改定に関する申入れを行う国民民主党の浜口誠氏(右から3人目)ら=12月6日 緊急申入れでは、「診療報酬改定がない年の薬価改定いわゆる中間年薬価改定は、2016年12月に当時の4大臣によって決定された『薬価制度の抜本改革に向けた基本方針』(4大臣合意)に基づき実施されているが、当時の前提や環境の変化を踏まえ、中間年薬価改定を廃止し、薬価制

高額療養費制度の見直しで方向性 自己負担限度額引き上げと所得区分の細分化(2024年11月21日)

厚労省は11月21日、社会保障審議会医療保険部会に高額療養費制度の見直し案を提示した。自己負担限度額の引き上げるとともに所得区分を細分化する。委員から特段の反対意見はなく、一定の方向性が示された。 厚労省は、高齢化の進展や医療の高度化によって、高額療養費が全医療費の6~7%を占めるまでに総額が増加していることを紹介。一方で、自己負担限度額は実質的に維持されてきたことから、医療保険制度の実効給付率が上昇している現状を説明した(下図)。 また、前回見直しを行った平成27年以降