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年金時代(無料版)

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#ニュース

期間収益率は3.57%のマイナスに――GPIF2024年度第2四半期運用実績

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は11月1日、2024年度第2四半期(7月~9月)運用状況を公表した。2024年度第2四半期の期間収益率は3.57%のマイナスとなり、期間収益額は9兆1,277億円のマイナスとなった。市場運用が開始された2001年度以降の収益率は4.26%(年率)のプラスとなり、累積収益額は153兆6,431億円のプラスだった。その結果、2024年度第2四半期末現在の運用資産額は248兆2,274億円となった。 GPIFの宮園雅敬理事長は同日、日本

DBの給付減額の取り扱いなどを審議――第37回企業年金・個人年金部会

厚生労働省の社会保障審議会企業年金・個人年金部会(部会長=森戸英幸・慶應義塾大学大学院法務研究科教授)は11月8日、①個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入可能年齢と受給開始年齢②拠出の在り方③DBの給付減額の判定基準や手続き――について審議した。   iDeCoの加入可能年齢については、政府が策定した「資産所得倍増プラン」で70歳まで引き上げることが示されている。引き上げを実施した場合、現行では働き方によって加入可能年齢が異なっているため、新たな加入要件を設定する必要がある

多様な年金の給付水準の示し方などを審議――第19回年金部会

厚生労働省の社会保障審議会年金部会(部会長=菊池馨実・早稲田大学理事、法学学術院教授)は11月5日、多様なライフコースに応じた年金の給付水準の示し方などについて審議した。毎年、年金額改定が行われる際に公表している厚生年金のモデル年金は、会社員等として平均的な収入で40年間働いた夫と専業主婦の妻の夫婦世帯を想定して算出してきたが、ライフスタイルの多様化などに合った示し方にするべきだと以前から指摘されていた。 このため、厚労省は令和6年財政検証結果を活用し、現行のモデル年金のほ

勤務間インターバル制度を「導入した」企業は全体の6%、「知らない」企業は19.2%—―令和6年版過労死等防止対策白書

厚生労働省は、10月11日に「令和6年版過労死等防止対策白書」を公表した。これによると、勤務間インターバル制度について、制度を導入している企業(就業規則または労使協定等で定めているもの)の割合は、調査対象である常用労働者30人以上の民営企業で、令和5年で6.0%となった。前年の5.8%から0.2ポイントの増加となったが、「制度を知らない」と回答した企業は全体で19.2%であった。 令和6年に閣議決定された「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の数値目標は、労働者数30人以

労働者協同組合設立が110を超える――労協法施行から2年

令和4年10月1日に施行された「労働者協同組合法(労協法)」に基づき設立された労働者協同組合は令和6年10月1日現在で、110法人を数えた。 少子高齢社会における多様な働き方の選択肢を広げるために施行された同法の下に、地域に根差したさまざまな法人が1都1道2府27県で誕生している。 労働者協同組合は、 1) 組合員が出資すること 2) その事業を行うにあたり、組合員の意見が反映されること 3) 組合員が組合の行う事業に従事すること の基本原理に従い、持続可能で活力ある地域社

iDeCo+(イデコプラス)における届出内容の変更などについて意見募集

厚生労働省は9月25日、iDeCo+(イデコプラス・中小事業主掛金納付制度)の届出内容の変更などについて意見募集を開始した。iDeCo+は、企業型確定拠出年金(企業型DC)や確定給付企業年金(DB)などの企業年金を実施していない従業員数300人以下の事業主が、個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入している従業員の掛金に上乗せして掛金を拠出できる制度。iDeCo+の事業主掛金に関する変更があった場合、事業主は届書に変更前の掛金額を記載する必要があるが、手続きの簡素化を図るため、

GPIFが経団連と「アセットオーナーラウンドテーブル」創設

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は9月17日、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)と、「経団連・GPIF アセットオーナーラウンドテーブル」の創設で合意したと発表した。 同ラウンドテーブル創設の目的は、アセットオーナーは受益者の最大の利益を勘案して行動すべきとして政府が8月28日に定めた5つの原則である「アセットオーナー・プリンシプル」策定後、企業との継続的な意見交換の場を新たに設けるためとしている。 第1回会合は10月3日に開催予定。アセットオーナー側の参加

日本の高齢者就業率はOECD諸国の中では韓国、アイルランドに次ぐ高さ―― 令和6年版「労働経済白書」公表

厚生労働省は9月6日、「令和6年版 労働経済の分析」を公表した。今回の分析テーマは「人手不足への対応」。人手不足の背景を1970年代前半(高度経済成長期末期)、1980年代後半~1990年代前半(バブル経済期)、2010年代以降現在に至るまでの3期間に分けて分析しているほか、「誰もが活躍できる社会の実現」として、潜在労働力についても分析している。人手不足解消には、女性、高齢者、外国人など多様な人材を取り入れ、労働参加率を労働生産性とともに向上させるべきとしている。 就業希望

令和6年財政検証のピアレビューに向け意見交換――第101回年金数理部会

厚生労働省の社会保障審議会年金数理部会(部会長=翁百合・(株)日本総合研究所理事長)は9月4日、令和6年財政検証結果について報告を受け、意見交換を行った。年金数理部会は、厚生年金保険や国民年金・基礎年金、共済年金といった各年金制度の毎年度の決算について審議し、公的年金財政状況報告を取りまとめる役割のほか、5年に一度実施される財政検証結果について推計の基礎データや推計手法、推計結果の分析のあり方、制度の安定性・公平性の観点などを分析・検証し、今後の財政検証への提言を行う「ピアレ

公的年金手続の戸籍謄本省略関連で意見募集

厚生労働省は9月6日、公的年金の手続において戸籍謄本の添付を省略することに伴い、届書の記載事項に個人番号を追加することについて意見募集を開始した。 各種行政手続では、令和6年3月から個人番号制度の情報提供ネットワークシステムを通じた情報連携によって本人情報や親子関係、婚姻関係といった戸籍情報を確認することができるようになっている。また、個人番号による情報連携を行う場合は、個人情報と同一内容の情報を含む書面の提出も省略できるようになっている。 これを受けて厚生労働省は、公的

来訪者の満足度は8割以上 ー 令和5年度年金事務所・街角の年金相談センター お客様満足度調査ー日本年金機構

日本年金機構は7月29日、令和5年度に実施した年金事務所・街角の年金相談センターのお客様満足調査結果を公表した。 職員のビジネスマナーや接客態度について、「満足」(60.8%)、「ほぼ満足」(26.3%)とした回答者は、全体の8割以上(87.1%)、窓口での説明については、「満足」(53.9%)、「ほぼ満足」(32.4%)と、こちらも全体の満足度は8割以上(86.3%)に上った。 調査は令和5年6月1日から令和6年2月14日にかけて、全国の年金事務所等の来訪者に対してアンケ

ゲノム情報による不当な差別等への対応で厚労省がQ&Aを公表

厚生労働省は8月20日、労働分野におけるゲノム情報による不当な差別等への対応の確保に関するQ&Aを公表した。 生まれながらに固有で、子孫に受け継がれ得る個人のゲノム情報(遺伝情報)については、当人はもとよりその家族についても将来の健康状態を予測し得る等の特性があることから、病気の診断や治療、予防への活用が期待される一方で、ゲノム情報による不当な差別等が懸念されている。 Q&Aは、令和5年6月16日に公布・施行されたゲノム医療推進法(良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して

生活満足度は調査開始以来最も高い水準に――満足度・生活の質に関する調査報告書2024

内閣府は8月9日、「満足度・生活の質に関する調査報告書2024」を公表した。この調査は、我が国の経済社会の構造を人々の満足度(Well-being)の観点から多面的に把握し、政策運営に生かしていくことを目的とするもので、「生活満足度」(生活に満足しているかを0点~10点で自己申告するもの)や関連する仕事・家庭の状況、生活実態の動向を把握するために実施している。 「生活満足度」は、全体の平均が5.89と、2023年の前回調査から0.1ポイント上昇し、調査開始以来で最も高い水準

賃金デジタル払いで厚労省が資金移動業者を指定―令和5年4月の施行後初めて

厚生労働省は8月9日、賃金デジタル払い(労働者の指定資金移動業者の口座への賃金支払い)が可能となる資金移動業者としてPayPay株式会社(中山一郎・代表取締役社長)を指定した。 資金移動業者に対する厚生労働大臣の指定は、賃金デジタル払いを解禁した令和5年4月の改正労働基準法施行規則施行後これが初めて。 同社のプレスリリースによると、8月14日からソフトバンクグループ10社の従業員を対象に「PayPay給与受取」のサービス提供を開始。その後、年内を目途にすべてのPayPayユ