厚労省分の予算額は34兆2904億円で過去最大 政府が令和7年度予算案を閣議決定(2024年12月27日)
政府は12月27日、令和7年度予算案を閣議決定した。厚生労働省分の予算額は34兆2,904億円(下表)となり、過去最大を更新。大部分を占める社会保障関係費は33兆9,723億円で、前年度比1.4%増となった。経済や物価動向に配慮しながら、薬価改定や高額療養費制度の見直しによって自然増を圧縮。政府全体の一般歳出(68兆2,452億円)に占める割合では、厚労省以外を含む社会保障関係費が38兆2,778億円に達し、全体の56%を占める。
医療の伸び0.8%
厚労省予算案における社会保障関係費の内訳(下表)は、年金が13兆6129億円で2.2%増、医療が12兆4542億円で0.8%増、介護が3兆7374億円で0.2%増、雇用が1560億円で3.6%増、福祉等が4兆118億円で1.6%増となった。年金については、物価や賃金の伸びに伴うスライド調整が給付費の増加要因となっている。
地域医療構想・医師偏在対策・かかりつけ医機能の強化に762億円
厚労省の保健・医療・介護分野における予算案の重点事項には、多岐にわたる施策が含まれる。
有望な医薬品・医療機器等の実用化に77億円、研究開発によるイノベーション促進に551億円を計上。医薬品の安定供給には4.4億円、医療・介護分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進には49億円が充てられる。さらに、地域医療構想や医師偏在対策、かかりつけ医機能の強化には762億円、地域包括ケアシステムの推進には2,470億円、周産期・救急・災害医療体制の整備には119億円が計上されている。加えて、認知症施策に135億円、がん対策や循環器病対策に399億円、肝炎対策に1,234億円、難病・小児慢性特定疾病対策等に1,660億円が含まれる。
昨年12月24日に成立した令和6年度補正予算には、夏の概算要求で盛り込まれた多くの項目が反映されている。各施策の実施にあたっては、本予算と補正予算を一体として捉える必要がある。