2023年度予算案で大臣折衝 薬剤費の削減額は3,100億円(12月21日)
加藤勝信厚生労働大臣と鈴木俊一財務大臣は12月21日、2023年度予算案の大臣折衝を行い、社会保障関係費について、2022年度と比べ、実質的な伸びを4,100億円(年金スライド分除く)とすることで合意した。
歳出増の項目もある中で、2023年度の薬価の中間年改定で得られる財源により、支出増を抑えた形となっている。薬価改定の影響額は、薬剤費ベースで▲3,100億円(国費▲722億円)に相当する。
社会保障関係費に相当する予算の夏の概算要求時点の対前年度増加額は5,600億円程度であったので、1,500億円程度の圧縮が行われたことになる。
2023年度薬価改定では、2022年薬価調査に基づき、改定の対象範囲について、国民負担の軽減を図る観点から、平均乖離率7.0%の0.625倍(乖離率4.375%)を超える品目を対象とした。これは、全品目(約1万9400品目)のうち69%(約1万3400品目)に相当する。
その上で、原材料費の高騰、安定供給問題への対応、イノベーションへの配慮の観点から、緊急・特例的な措置を実施する。緊急・特例的措置は大きく2つで、「不採算品再算定の特例品目」による薬価引上げ(1100品目)と新薬創出等加算の特例適用(従前薬価と遜色ない水準)(150品目)となっている。
これにより、薬価引下げの対象品目は69%から48%(約9300品目)になる。薬剤費ベースでは、▲3100億円(国費▲722億円)に相当するが、厚労省が、2022年薬価調査に基づいた示した試算では、平均乖離率0.625倍超を採用した場合の実勢価改定のみの影響額は▲4900億円であった。