財務省が診療報酬本体のマイナス改定を主張(2023年11月1日)
財務省は1日の財政制度等審議会の財政制度分科会に、次期診療報酬改定について意見を提示した。サービス提供の効率化やマイナス改定を主張した。
意見は「診療報酬本体、薬価など、保険償還の対象となるサービスの価格については、国民負担を軽減する観点から、できる限り効率的に提供するよう、診療報酬の合理化・適正化等を進めていく必要がある」とし、2024年度改定においては、「診療所の極めて良好な経営状況等を踏まえ、診療所の報酬単価を引き下げること等により、現場従事者の処遇改善等の課題に対応しつつ診療報酬本体をマイナス改定とすることが適当」と主張した。
診療所・病院・調剤の区分毎に経営状況や課題等が異なることを踏まえたメリハリをつけた改定とすることも求めた。
診療所の1受診当たり医療費「物価上昇率を大幅に超えた水準で急増」
一方、診療所の経営状況について「過去20年間、医科診療所(入院外)における1受診当たりの医療費は、物価上昇率が低迷する中にあっても、ほぼ一貫して増加。特に、2019年度から2022年度にかけては年間+4.3%と、近年増加傾向にある物価上昇率を大幅に超えた水準で急増している」と指摘。
また、直近3年間の医療法人の事業報告書等を収集した集計した結果として、①診療所の収益は過去2年間で12%増加する一方、費用は6.5%増加し、経常利益率は3.0%から8.8%に上昇②この間、利益剰余金は約2割増加した(看護師等の現場従事者の+3%の賃上げに必要な経費の約14年分に相当)―をあげた。