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日医がかかりつけ医のあり方で提言「現在の仕組みを守る」(4月27日)

日本医師会の中川俊男会長は4月27日の会見で、かかりつけ医のあり方をまとめた提言「国民の信頼に応えるかかりつけ医として」を発表した。

提言では「かかりつけ医は患者の自由な意思によって選択される。患者にふさわしいかかりつけ医は数値化できない」とし、現在のフリーアクセスの仕組みを守ってくことを示している。

提言では、かかりつけ医について、◇患者の自由な意思によって選択される◇どの医師が「かかりつけ医」かは患者によってさまざまである◇患者にもっともふさわしい医師が誰かを数値化して測定することはできない―とし、「だからこそ、わたしたち医師は心をこめて一人ひとりの患者に寄り添い、患者に信頼された医師がかかりつけ医になるのだ」と記した。

その上で、「患者とかかりつけ医の信頼関係に基づいて、全国でさまざまな形のかかりつけ医機能が発揮されている。私たち医師はかかりつけ医機能をさらに深化させるとともに、より温かみのあるものにしていく」と訴えている。

かかりつけ医の機能としては、◇いつでもなんでも相談してもらえるように、しっかりとコミュニケーションをとって診察する◇必要なときには、適切なタイミングで適切な専門の医師や医療機関につなげる◇いつでも安心してもらえるように、かかりつけ医を中心に地域の医師がチーム一丸で患者を支える◇地域の介護サービスや福祉サービスにつなぐなど地域包括ケアシステムの中で求められる役割を果たす◇患者が最も安心・安全かつ効率的に最善の医療に到達できるよう医療のデジタル化を進める―などをあげた。

提言の終わりでは、「日本医師会は、必要なときに適切な医療にアクセスできる現在の仕組みを守る。そして『かかりつけ医』として、患者にさらに信頼してもらえるように努めていく」と結んでいる。

岸田首相と面会「検討材料の一つとしたい」

今回の提言について中川会長は、「かかりつけ医機能を果たしていく医師の覚悟を示したもの。かかりつけ医という言葉自体を定義するのではなく、かかりつけ医が持つ機能を改めて整理した」と述べた。

提言をまとめた理由として、「政府がかかりつけ医機能の明確化や有効に発揮されるための具体的方策を検討することとなっており、日医としても国民のさらなる信頼に応えるよう、これまで以上にかかりつけ医機能を強化する必要があることからだ」とした。

日本医師会「国民の信頼に応えるかかりつけ医として」2022年4月

22日には岸田文雄首相と面会して提言を手渡したことを説明。首相からは、「かかりつけ医は大事であり、制度化にはいろいろな議論がある、今後かかりつけ医はどうあるべきか考えていくが、日医の考えも検討材料の一つとしたい」との発言があったと明かした。

かかりつけ医の定義については、2013年8月に四病院団体協議会と合同提言を発表。今回、日医単独で発表したことについては「合同提言は病床機能が大きなテーマだったが、今回はかかりつけ医に焦点をあてたため日医が見直しを行った」と述べた。

合同提言の違いについては、①かかりつけ医は患者が医師を表現する言葉であること、②患者ごとにかかりつけ医は異なり、患者にふさわしい誰かを数値化して測定することはできないこと、③患者が信頼できる医師がかかりつけ医であること―の3点をあげた。

財務省が主張する制度化については「認定制や制度化がどのような形なのかはわからないが、医療費抑制のために国民の受診を狭めるものであれば認められない。かかりつけ医機能は地域においてさまざまなかたちで発揮され、患者とかかりつけ医の信頼関係を絶対的な基礎として日本の医療を守ってきた。こうした日本の財産を制度化ということで一刀両断に切り捨てることになってはならない」と述べた。  

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