マイナ保険証促進の一時金を引上げ 医療保険部会(2024年7月5日)
社会保障審議会医療保険部会(田辺国昭部会長)は6月21日、マイナ保険証の利用促進策について議論した。医療機関等のマイナ保険証利用促進のための支援として、一時金を引き上げる方針が示され、了承された。
医療機関等の一時金の見直しについて厚労省は、利用率20%以上の施設が昨年12月の14.8%から今年5月の22.3%と高利用率の施設が増加し、一時金の上限に達している施設が相当数あることから、さらに利用率を上げるためのインセンティブが必要と説明。
昨年10月の利用人数を基準に、5月から7月にかけての利用人数の増加に応じて、診療所・薬局の一時金を最大10万円から20万円、病院を最大20万円から40万円に引き上げることとなり、既に実施されている。
健保連の佐野雅宏委員は利用促進策について「一部報道でマイナ保険証に否定的な意見が見受けられる。利用促進の大きな阻害要因となっていることは否めない。マイナ保険証が有用であるとの広報の強化をお願いしたい」と要望した。
日本医師会の猪口雄二委員の代理で出席した長島公之参考人は、医科診療所におけるマイナ保険証の利用状況について「なかなか増加が見られない。ハードルが何なのかていねいな検証が必要だ。高い利用割合の施設数がほとんど増えていないため、診療所における利用をいかに増やすかが重要である」と指摘した。
利用率・件数は最高を更新
一方、マイナ保険証の利用状況が報告された。5月のマイナ保険証の利用率は7.73%(対前月比+1.17ポイント)、利用件数は1425万件(同+215万件)と増加し、ともに過去最高を更新した。
施設別に見ると、薬局が対前月比で顕著な伸びを見せ、利用率は7.40%となり、医科診療所(6.47%)上回った。