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分娩取扱施設の96%がサービスの特色や出産費用を公開予定(2024年4月10日)

社会保障審議会医療保険部会(田辺国昭部会長)は4月10日、出産費用の見える化等について報告を受けた。全国の分娩取扱施設に関する情報の提供を行うウェブサイトについて、昨年11月に全国の分娩取扱施設に対して調査を行った結果、全国の96%の施設が掲載見込みであることがわかった(病院98%、診療所93%、助産所97%)。

あわせて、出産費用の見える化を推進する観点から、出産育児一時金の直接支払制度の実施要項において、「年間分娩件数が21件以上の分娩取扱施設については、直接支払制度を利用する場合には、情報提供ウェブサイトにおいて出産費用等の情報の公表を行うこと」を規定するとした。

日本医師会の猪口雄二委員は、「96%は非常に高い数字。全国的に多大な努力をいただいた結果と受け止めている」と評価した。その上で「残りの4%が『年間分娩件数21件以上の分娩取扱施設で直接支払制度を利用する場合には情報公開が必要』という条件を理解して回答しなかったのかどうか。この4%に対しては丁寧な対応をお願いしたい」と述べた。

健保連の佐野雅宏委員は、「見える化についてはウェブサイトの活用が極めて重要」と効果的な活用を求めた。一方で、「2026年度を目途に出産費用の保険適用を含め、更なる強化を図ることから、出産費用の内訳の把握に加え、地域差の要因、費用向上の分析が必要」とし、さまざまな関係者の意見を踏まえる必要があることから、工程計画の策定と早期の検討開始を求めた。

2024年春からの運用開始に向け、厚労省は引き続き情報提供ウェブサイトの開設準備を進めるとしている。出産費用の見える化を進め、妊婦が費用やサービスを踏まえて適切に分娩取扱施設を選択できる環境を整備する。

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