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改定率0.61%分相当の医療関係職種の賃上げ対応の方法を概ね了承(2024年1月10日)

中医協総会は10日、2024年度診療報酬改定の重要課題である医療機関等における職員の賃上げの方法を議論した。改定率の0.61%分に相当する対応として、看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種の賃金を2.3%引き上げるための方法について概ね了承した。一方、改定率の0.28%分に相当する対応として、「40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者の賃上げに資する措置分」の方法については、診療側と支払側で意見が分かれた。【社会保険旬報編集部】

加算措置の方法では、医科・歯科診療所の場合、賃上げに必要な初再診料等の点数を計算しそれを上乗せする。在宅医療に対応している医療機関があるため、訪問診療料に点数を上乗せする。これにより多くの診療所への対応が可能となるが、過不足が生じる診療所も生じるので別途対応を検討する。

病院に対しては、これらの上乗せに加えて、入院基本料等に点数を複数に分けて病院ごとに点数を設定する。

シミュレーションでは、150とおりの点数を設定すると、過不足が少ない形で対応できることがわかった。複数の点数が多い場合も少ない場合も事務負担はあまり変わらないことから、きめ細かく点数を設定することで概ね合意が得られた。ただ、過不足が生じる病院も少数ながら出てくるので、別途対応を検討する。

40歳未満勤務医等への措置「広く算定されている診療報酬の項目で」

一方、「40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者の賃上げに資する措置分」の対応方法については、意見が分かれた。

厚労省が示した論点では、40歳未満の医師の勤務形態が多様であることも踏まえ、シンプルで精緻な制度設計が困難であることから、「広く算定されている診療報酬の項目で評価する」ことが提案されている。これに対し、診療側は基本診療料の増点での対応を主張し、支払側は基本診療料への加算で対応することを主張している。支払側は、賃上げの実績報告も求めている。


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