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塩崎政務官が支払基金の医療DXのシステムを視察(2023年12月19日)

塩崎彰久厚生労働大臣政務官(写真右)は12月19日、東京・新橋の社会保険診療報酬支払基金を訪問した。オンライン資格確認や医療情報プラットフォーム、電子処方箋など医療DXに関するシステム、AIによるレセプト振分機能を導入している審査支払システムなどを視察するとともに、支払基金の神田裕二理事長(写真左)らと意見交換を行った。【社会保険旬報編集部】

意見交換で塩崎政務官は、「医療DXの推進は今や厚労省を超えて政府全体で取組む最重要の国家課題の一つだと思っている。医療DXのエンジンとなってシステム開発などの業務を行う支払基金の現場を拝見し、大変感銘を受けた。政府が平成29年にデータヘルス改革推進計画を策定してから、支払基金の業務が大きく変わってきている。医療機関のレセプト審査に加え、さまざまな医療DXや業務の効率化を進め、さらにそこに付加価値をつけていく多様な業務を担ってもらっている」と述べた。

特に、AIによるレセプト振分機能の審査支払システムについては「改良を重ねてきて、今年10月には目視をする割合が全体の1割まで絞り込むことができた。しかも目視の数を減らしながら全体として査定額を増やす、無駄をなくしていく非常に有意な取組みが進んでいるのではないか」と期待を示した。

一方、神田理事長は塩崎政務官に対し、医療DX分野の業務に対する人員確保、利用者目線によるシステム開発などを要望した。

AI導入の振分機能の名称は「ReCAI(リカイ)」に

視察後の会見で塩崎政務官は本日、支払基金のAIによるレセプト振分機能の審査支払システムについて「ReCAI(Receipt Clustering using AI=リカイ)」と命名したことを明らかにした。

「ReCAI」の名称について、「開発に携わった人たちから募集したもので、とてもいい名称だと思う。支払基金の業務は一見して国民にわかりにくい部分があるかもしれないが、私たちの健康や安全を守っている非常に大事な業務である。この名称を国民に広く知ってもらい、業務の効率化を図っていきたい」と述べた。

支払基金の審査支払システムは、AIによるレセプトの振分機能を実装。AIを活用し、過去の審査結果等を機械学習させることで、審査委員や職員による審査を必要とするレセプトと、コンピュータチェックで完結するレセプトの振分けを行っている。人による審査を必要とするレセプトの割合は査定・返戻の可能性の高いレセプトに厳選すること等により、令和5年10月からは全体の1割に絞り込んでいる。

意見交換を行う塩崎彰久厚生労働大臣政務官と社会保険診療報酬支払基金の神田裕二理事長ら=12月19日

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