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訪看STにオン資導入義務付け、令和6年秋施行も経過措置設ける 中医協答申(2023年10月18日)

中医協は10月18日の総会で、①指定訪問看護ステーションにおけるオンライン資格確認の導入の義務付け、②オンライン資格確認の用途拡大に伴う対応、③保険医療機関および保険薬局におけるオンライン請求の推進に伴う所要の見直し――に係る個別改定項目について議論し、同日、武見敬三厚生労働大臣に答申した。

写真:三浦靖厚生労働大臣政務官(右)に答申書を手渡す中医協・小塩隆士会長(左)

このうち、医療保険の訪問看護へのオンライン資格確認導入については、9月29日の社会保障審議会医療保険部会等でも議論され、オンライン請求の導入とともに、令和6(2024)年6月から導入することとされていた。

中医協の答申では、令和6年秋から訪問看護におけるオンライン資格確認の導入を義務付け、その時点でやむを得ない事情がある場合には、期限付きの経過措置等を設けることとした。

経過措置:あらかじめ地方厚生局長等に届け出た左欄に掲げる指定訪問看護ステーションは、右欄に掲げる期間において、規定を適用しない

導入義務付けの日については、健康保険証の廃止予定時期である「令和6年秋」とされている。ただし基準省令上の施行日は、マイナンバー法等改正法(令和5年法律第48号)附則第1条第2号の政令で定める日とされ、現時点では未定となっている。

そのほか具体的には、基準省令(指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準(平成12年厚生省令第80号))等を以下のように改正する。

  1. 指定訪問看護事業者は、利用者の受給資格を確認する際、利用者がオンライン資格確認による確認を求めた場合は、オンライン資格確認によって受給資格の確認を行わなければならない(基準省令第8条第2項)
    ※12月1日以降の再照会機能を活用した資格確認を行うことも可能

  2. 指定訪問看護事業者は、利用者がオンライン資格確認による確認を求めた場合に対応できるよう、指定訪問看護ステーションごとに、あらかじめ必要な体制を整備しなければならない(基準省令第8条第3項)

  3. 個別の経過措置に係る項目および経過措置期限(上表参照)については、今後公布される「保険医療機関及び保険医療養担当規則等の一部を改正する省令」(改正省令)の附則第3条第1項にて規定される

  4. 指定訪問看護事業者は、「3」の届出を行う際、当該届出の内容を確認できる必要な資料を添付する。ただし、当該届出を行うに当たり、資料の添付を併せて行うことができないことについてやむを得ない事情がある場合には、当該届出の事後において、速やかに地方厚生局長等に提出する(改正省令附則第3条第2項)

  5. 「3」の届出は、当該指定訪問看護ステーションの所在地を管轄する地方厚生局または地方厚生支局の分室がある場合においては、当該分室を経由して行う(改正省令附則第3条第3項)

  6. 「3」の表の左欄に掲げる指定訪問看護ステーションの指定訪問看護事業者は、令和6年秋前においても、「3」から「5」までの例により、その届出を行うことができる(改正省令附則第4条)

  7. 地方厚生局長等は、指定訪問看護に関して必要があると認めるときは、審査支払機関に対し、「1」から「6」までの内容に関して必要な資料の提供を求めることができる。また、支払基金は(中略)地方厚生局長等に対して、「3」または「6」の届出を行った指定訪問看護事業者の届出に係る指定訪問看護ステーションの名称、所在地その他の必要な資料の提供を求めることができる(改正省令附則第5条)

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