医療DXや小児・周産期医療を議論 中医協総会(2023年12月1日)
中医協総会は12月1日、令和6年度診療報酬改定に向けて、医療DXをテーマに議論を行った。医療情報・システム基盤整備体制充実加算の点数引上げなどの措置に対し、診療側が継続を主張し、支払側は廃止を主張した。
同加算は、オンライン資格確認を行う体制を有している医療機関で、患者の薬剤情報、特定健診情報その他必要な情報を取得・活用して診療等を行う場合に算定できる。
診療録管理体制加算、400床未満での責任者配置を検討
サイバーセキュリティ対策については、令和4年度改定において、診療録管理体制加算を算定する400床以上の医療機関に、専任の医療情報システム安全管理責任者の配置を要件化している。
対象病院を拡大することを支払側は主張し、診療側が反対した。
診療側はサイバーセキュリティ対策の重要性は認めつつ、医療情報システム安全管理責任者は配置している医療機関は現時点で少なく、要件化は現実的ではないと主張した。
小児入院医療管理料における保育士や看護補助者の配置に関する評価を充実
また、小児・周産期医療をテーマに議論した。
小児の入院患者が減少している中で、小児患者と成人患者の混合病棟となる場合が増加している。子どもとその家族の療養環境を向上させるため、ユニット化を行うための診療報酬の見直しを行うことに対し、概ね合意を得た。小規模結核病棟のユニット運用が参考とされた。
小児に付き添う家族の負担を軽減するため、小児入院医療管理料における保育士や看護補助者の配置に関する評価を充実させることでも概ね合意を得た。
小児高度急性期医療は、令和4年度改定で特定集中治療室等の臓器移植患者に係る算定日数上限が延長されたが、小児特定集中治療室においても、臓器移植患者は平均滞在日数が長く、算定上限日数を超過して滞在している患者が一定数存在するとのデータが示された。これを踏まえ、実態に沿った対応が求められた。