財政審分科会が診療報酬のプラス改定や支援金制度に意見(2024年3月5日)
財政制度等審議会の財政制度分科会は5日、令和6年度予算について議論した。委員からは令和6年度診療報酬改定や子ども・子育て支援金制度について意見がでた。
財務省が令和6年度予算のポイントを説明した。医療・福祉分野において率先した賃上げ姿勢を示す観点から、「診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬改定において、現場で働く幅広い人々の処遇改善として令和6年度にベア2.5%を実現するために必要な水準を措置した」ことをあげた。
こども政策としては、「こども未来戦略」に基づく「加速化プラン」を実施することをあげた。財源確保の取組みでは「改革工程に基づき、メリハリのある診療報酬改定や薬価制度の見直し、介護保険制度改革を実現する」としている。
「機動的調査」今後も必要
委員からは、診療報酬改定について「本体がプラス改定となったのは残念であったが、インフレ下の決着としては評価できる」との意見がでた。
医療機関の経営状況を把握するために財務省が初めて実施した機動的調査については、「取り組みは評価でき、あのようなデータに基づく議論を継続していく必要がある」とした。
支援金制度については「歳出改革と賃上げによる社会保険負担軽減効果の範囲内で導入するとしているが、わかりにくい面があり、今後も説明を尽くしていく必要はある」といった指摘や、「さまざまな論点があり、整理していくことが必要だ。一方で、支援金制度は新たな支え合い、連帯の仕組みとして関係者には高く評価されている面もある」との意見があがった。