全総協が総会 6年度予算は95%が赤字、赤字額は2222億円(2024年3月27日)
全国総合健康保険組合協議会(高井昌史会長)は3月27日、都内で定例総会を開き、令和6年度の事業計画案と収支予算案を承認した。高井会長は、医療給付費の高止まりと高齢者医療制度への支援金や納付金などにより健保組合は財政圧迫を受けており、2025年問題に直面していると述べた。令和6年度予算の編成状況では、会員組合の95%が赤字となり、経常収支差引額が約2222億円の赤字となることが報告された。
挨拶で高井会長は健保組合を取り巻く状況について「依然として高止まりしている医療給付費と、高齢者医療制度への支援金・納付金等が財政を圧迫しており、いわゆる2025年問題を控え、極めて厳しい事業運営を強いられている」と指摘した。
全総協会員組合の令和6年度予算編成状況については「会員242組合中、黒字組合は12組合で、経常収支差引額は過去最高の約2222億円の大幅な赤字となっている。26組合が保険料率を引上げ、全総協全体の平均保険料率は98.566‰となり、協会けんぽの平均保険料率である100‰以上の組合は43%で103組合となった」と説明した。
支援金制度は「巧妙な上乗せ」
さらに、「主要な支出の一つである法定給付費は、医療費の高い伸びと出産育児一時金の大幅な引上げ等の影響から6.39%の伸びを示しており、令和6年度診療報酬改定における0.88%の引き上げも合わせて、さらなる増大が懸念される状況だ」と危機感を示した。
また、子ども・子育て支援制度について、「健保組合は支援納付金について納付義務を負い、滞納した際には滞納処分が適用される。加えて、支援金率は政令で定める率の範囲内で保険者が定めると規定されている。これは巧妙な健康保険制度への上乗せ制度であり、公租公課の新設そのものと感じる。国会での十分な審議を望みたい」と意見した。