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支払基金の11月原審査査定率が令和元年同月実績を上回る(2024年1月30日)

社会保険診療報酬支払基金は1月30日の会見で、審査実績の推移を発表した。昨年11月の原審査請求1万点当たりの査定点数は、今年度に入って初めて令和元年の同月実績を上回った。【社会保険旬報編集部】

令和5年11月の医科歯科計の原審査請求1万点当たりの査定点数をみると、前月に比べて1.5点増の26.7点となった。査定点数は平成30年度以降減少傾向にあったが、令和5年度に入って初めて令和元年11月の26.0点を上回った。過去11月の実績は令和2年23.8点、令和3年25.9点、令和4年22.2点となっていた。

一方、医科の電子レセプトの原審査請求1万点当たりの査定点数の推移を分析。分析によると、

  1. 令和5年5月~11月審査分平均の電子レセプトの医科の原審査請求1万点当たり査定点数は前年同期の22.2点から26.0点に17.1%増加

  2. 増加に寄与したのは、統一的なコンピュータチェックと全国統一取決等の設定が3割、職員が8割

  3. AIを活用したレセプト振分により審査の重点化と数値目標の設定、進捗管理により過去数年間減少傾向にあった原審査の審査実績が上昇に反転した

―と示している。

「職員のがんばりが大きい」

会見で北波孝理事長特任補佐(写真)は、「昨年10月から目視対象レセプトの割合を10%を目指すように絞りこんでいるなかで、職員がしっかり見ている。職員のがんばりが大きいと思う」と述べた。

AIの振分機能による目視対象レセプト割合の実績(医科歯科計)をみると、10月審査分10.6%、11月審査分10.6%、12月審査分10.4%、1月審査分(速報値)10.0%と推移している。


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