「世界禁煙デー」で日医とサッカー協会が東京タワーをライトアップ(2024年5月31日)
日本医師会と日本サッカー協会は「世界禁煙デー」の5月31日、東京・港区の東京タワーでライトアップイベントを開催した。日医の松本吉郎会長と、日本サッカー協会の宮本恒靖会長が点灯式を行い、受動喫煙防止のシンボルカラーであるイエローグリーンにタワーを染めた。また、禁煙週間(5月31日~6月6日)の期間中、東京タワー内で禁煙に関する啓発展示も行っている。
日本では毎年約19万人が喫煙に関連する病気で亡くなっていると言われ、近年は特に若年層で加熱式たばこや電子だばこといった新型たばこの使用者が増えていることに加え、受動喫煙による健康被害も大きな問題になっている。こうした現状を踏まえ、両団体は「世界禁煙デー」にあわせて、新型たばこを含む喫煙による健康への影響や受動喫煙防止の必要性について啓発を行うこととした。
イエローグリーンは「受動喫煙したくない、させたくない」という意思を表す色として例年、全国各地でライトアップや啓発活動を行っているが、日医としてはスポーツ団体として受動喫煙防止に取組んでいる日本サッカー協会の協力を得て、初めての東京タワーのライトアップを行った。
日医の松本会長は、禁煙対策の取組みとしてこれまでも『禁煙は愛』という国民向け冊子の作成やシンポジウムの開催などたばこの害を国民に広く知ってもらう活動を展開してきたことを紹介。その上で、「今回のイベントをきっかけに、喫煙者は自身の健康だけでなく、まわりの人たちのためにもたばこをやめようと思っていただきたい。家族など身近に喫煙者がいる人は本会の冊子を参考に、喫煙による健康リスクを伝えていただき、喫煙する人を一人でも多く減らして健康に過ごしてほしい」と呼びかけた。
JFA宮本会長「若い選手はアスリートの意識が高い」
日本サッカー協会の宮本会長は「サッカーファミリーである選手や審判、指導者、サポーター、その家族だけでなく、そのほかのたくさんの人たちにも喫煙のリスクや受動喫煙防止の大切さを知るきっかけになればいいと思っている」と述べた。
トークセッションでは、松本会長が喫煙のリスクとして、持久力や集中力、瞬発力の低下を指摘した。
宮本会長は、「個人的にはたばこを吸ったことがないのでどのくらい影響があるかわからないが、サッカー選手は1試合で多い人は12~13㎞走るため、その意味でも持久力に影響がある喫煙は問題があると思う。瞬発力や集中力も必要なので、スポーツをするにあたって喫煙にはよいことがないと改めて感じた」と述べた。
自身の現役時代には喫煙する先輩選手の姿もよく見られたことを明かし、「最近の若い選手はアスリートの意識が高いため、かなり減ってきている。各チームに1人いるかいないかだと思う」と述べた。