マイナ保険証でオン資確認できない場合、紙の保険証の提示なくても3割等の自己負担割合――厚労省がセミナーで再周知(2024年7月19日)
厚労省は7月19日、「徹底解決!マイナ保険証への医療現場の疑問 解消セミナー」をオンラインで開催した。マイナ保険証持参患者については、マイナンバーカードでオンライン資格確認ができず、紙の保険証の提示がない場合であっても、3割等の適切な自己負担割合での支払いを求めることを医療機関等に再周知した。また、電子証明書の有効期間切れ後の特例措置についても説明した。
被保険者等がマイナ保険証を持参した場合は原則10割負担としない――こうした窓口での取扱いについて、厚労省は令和5年7月10日保発0710第1号(以下「オン資通知」)によりすでに示している。しかし紙の保険証の新規発行停止が12月2日に迫る中、マイナンバーカードによりオンライン資格確認ができない場合の12月1日までの対応(図1)を改めて医療機関等に周知した。
オンラインセミナーでは、マイナ保険証利用時に生じる主な事象・課題への対応(図2)やマイナンバーカードでの資格確認とレセプト請求のフロー(図3)も示した。
フロー(図3)では、マイナンバーカードでオンライン資格確認ができなかった場合のレセプト請求方法として、次の1から3の順に可能な方法を選択することとしている。
患者からの聞き取りや過去の受診歴等から確認できた「現在」の被保険者番号等を入力する
オンライン資格確認における「資格(無効)」画面や過去の受診歴等から確認できた「過去」の被保険者番号等を入力する
⇒資格無効の場合には喪失した「旧資格情報」で請求被保険者資格申立書に記入された患者の住所・連絡先等を摘要欄に記載の上、被保険者番号等は不詳として「7」を必要な桁数分入力する
⇒資格情報なしの場合には「不詳レセプト」として請求
電子証明書の有効期間切れ後3か月間の特例措置も
現在はマイナンバーカードの電子証明書の有効期限が切れると、医療機関等でオンライン資格確認が行えなくなる。しかし、令和6年12月からはシステム改修を行うことで、電子証明書の有効期限が満了してから3か月間は、暗証番号入力や顔認証などの本人確認を前提に、手持ちのマイナンバーカードを使って通常通りオンライン資格確認が可能となる。
また、12月2日以降は、電子証明書の有効期間満了日から一定期間を過ぎても、なお更新手続が行われない場合、本人からの申請によらず、医療保険者等から「資格確認書」を交付する取扱いについても示された。
オンラインセミナーではこうした取り組みにより、マイナカード持参患者については、何らかの事情でオンライン資格確認ができない場合であっても、10割負担となることがないよう改めて周知を行った。
なお、「オン資通知」では、保険者等を特定することができない場合には、災害等の際の取扱いに準じ、各保険者等で支払実績に応じて診療報酬等を按分して支払うことが明示されている。
関連書籍
「オン資通知」やオンライン資格確認関連の通知・事務連絡は、社会保険研究所発行『新明細書の記載要領(医科・歯科・調剤/DPC)(令和6年6月版)』に掲載している。
また、オンライン資格確認、電子処方箋、マイナ保険証等の医療DX関連については、社会保険研究所発行『医療DXの今後に向けて 電子処方箋・オンライン資格確認Q&A(令和5年4月版)』が詳しい。