オンライン資格確認ができない場合のレセプト請求方法を事務連絡 9月以降「不詳」で請求(2023年7月19日)
マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合の対応については、令和5年7月10日の厚生労働省保険局長通知(保発0710第1号)により、「保険料を支払っている被保険者等が、適切な自己負担分(3割分等)の支払で必要な保険診療を受けられること」といった基本的考え方に基づき、ケースごとの対応が示されている。
本通知は、6月29日に厚生労働省内に設置された「オンライン資格確認利用推進本部」の初会合で示された案を具体化したもので、レセプト摘要欄に、被保険者資格申立書により把握している患者の住所、事業所名、連絡先等の情報を記載した場合は、「保険者等番号」及び「被保険者等記号・番号」は「不詳」のまま診療報酬請求ができることが明記されている。
被保険者資格申立書の記入を要件
「不詳」のまま請求するレセプトは、8月には請求せず、9月以降に請求することとなる。その詳細は7月19日の保険局医療課事務連絡「マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合における診療報酬等の請求の取扱いについて」で以下のように示されている。
❶被保険者資格申立書を提出しているが、保険者等番号及び被保険者等記号・番号を特定できない場合の請求方法
「保険者等番号」⇒「77777777(8桁)」を記録
「被保険者等記号・番号」⇒被保険者証の「記号」は記録しない。「番号」は「777777777(9桁)」を記録(後期高齢者医療の場合は「77777777」(8桁)
「摘要欄」⇒先頭に「不詳」を記録(紙レセプトの場合は、上部欄外に赤色で不詳と記載)。不詳の下段に、被保険者資格申立書に記載された患者のカナ氏名、保険種別、保険者等名称、事業所名、住所(複数存在する場合は全て)、連絡先、患者への連絡を行った日付を記録
なお、入院の患者や再診・再来局の患者については、可能な限り、入院中又は2回目以降の受診・来局の際に保険者等番号及び被保険者等記号・番号又は過去の資格情報等を確認することが必要である。
❷旧資格情報(「資格(無効)」画面に表示された喪失済みの資格や、過去の受診歴等から確認した資格)に基づき診療報酬請求を行う場合
旧資格情報に基づく保険者等番号及び被保険者等記号・番号を記録した上で、診療報酬請求を行う。このとき、摘要欄に、「旧資格情報」である旨を記録する。
なお、記録した資格情報が旧資格情報であった場合でも、レセプト振替機能を活用して、医療機関等へ明細書を返戻することなく新たな保険者等に対して医療費請求を自動的に振り替える。
ただし、明細書の請求の時点で新たな保険者等からデータ登録がなされていない場合や、医療保険・公費併用請求又は高額療養費等の場合は、レセプト振替を行うことができないため、一旦請求してもレセプトは返戻されるが、上記❶の方法により、請求することが可能である。
❸以下の場合については、患者への確認によって得られた保険者等番号及び被保険者等記号・番号を記録した上で、通常の診療報酬請求方法にて請求
マイナポータルの画面や健康保険証の提示及びシステム障害時モードによりその場で又は事後的に資格確認を行った場合
患者からの聞き取り等により患者の現在の資格情報を確認できた場合や、過去に当該医療機関等への受診歴等がある患者について、その時から資格情報が変わっていないことを口頭で確認できた場合
❹保険者等の診療報酬等の支払い
上記の❶及び❷による診療報酬請求等について、審査支払機関は、オンライン資格確認等システムのレセプト振替機能も活用しつつ、患者が医療機関等を受診等した当時の加入保険者等を可能な限り特定する。
この特定作業により判明した保険者等が診療報酬等を負担することとなるが、保険者等を特定することができない場合には、災害等の際の取扱いに準じて、各保険者等で医療機関等に対する診療報酬等の支払実績に応じて診療報酬等を按分して支払うこととなる。
❺その他オンライン資格確認に関する事務連絡
7月4日の医療介護連携政策課・医療課事務連絡「オンライン資格確認等システムを活用した薬剤情報等の閲覧により診療等を実施する場合における確認について」では、①診察等時における確認方法例、②受付窓口における確認方法例が示されている。
また、7月19日の同課事務連絡では、「マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合の周知資料」が示されている。