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賃上げ対応とマイナ保険証利用促進のオンラインセミナー開催(2024年2月16日)

厚労省は2月16日、四病院団体協議会・全国国民健康保険診療施設協議会と共同で、「賃上げ等に関する診療報酬改定&マイナ保険証の利用促進に関するオンラインセミナー」を開催した。賃上げを行うための支援ツールを厚労省が用意していることを紹介し、医療機関が賃上げに取組むことを求めた。また、医療DXの推進のため、その基盤となるマイナ保険証を多くの患者が利用する取組みも促した。

医療機関は2024年度と2025年度の2年間の賃上げを計画する必要がある。
改定率0.61%の対応では、新設されるベースアップ評価料により、対象職種の給与総額の2.3%相当になるように設定されている。

配分方法については、◇2024年度にまとめて引上げを行うパターンと◇2年間で段階的に引上げを行うパターンがある。
例えば、給与総額が1億円である場合に、2024年度にまとめて引き上げるとすると、230万円×2年間となる。
段階的な引上げでは2024年度に165万円とし、2025年度に230万円+65万円とするような場合が考えられる。
医療機関等に対しては、①賃金引き上げ計画の作成②計画に基づく労使交渉等③計画に基づく給与規程の改正④施設基準の届出と期中の区分変更の届出⑤賃上げ状況の報告(2024年度・2025年度)の作業が発生する。

ベースアップ評価料を算定する医療機関等は、施設基準の届出書と合わせて、賃金引上げの計画書と報告書を地方厚生局等に提出する必要がある。
ベースアップ評価料が原則としてベアに充てられていることを地方厚生局等が確認する。さらに、計画書と報告書では、ベースアップ評価料による賃金引上げの状況だけでなく、自主財源等も含めた全体的な引上げ状況と、ベースアップ評価料の対象とならない40歳未満の勤務医師等(改定率0.28%分)の職種の状況も聞く予定としている。別途、抽出調査も実施する予定だ。

厚労省の担当官は、「マイナ保険証利用促進のための取組・支援策」の説明も行った。オンライン資格確認の利用件数に占めるマイナ保険証の利用件数の割合は2024年1月時点で4.6%にとどまっている。一方、デジタル庁のアンケート調査によると、マイナンバーカードの携行者は保有者の約5割を占めていた。これを踏まえ、厚労省はマイナンバーカードの携行者が、医療機関・薬局でマイナ保険証を利用すれば、マイナ保険証の利用率が大きく伸びる可能性を示唆。医療機関・薬局の窓口での声掛けの効果が期待できるとした。

また、2024年度改定でのマイナ保険証利用関係の診療報酬による対応のほか、新たな支援金の説明を行った。対象期間は2024年1~11月。マイナ保険証の利用率が2023年10月から5%ポイント以上増加した医療機関等に支援金を交付する。交付額は増加量と総利用件数に応じて増加する。

同セミナーは四病協・国診協のほか、15日に日本医師会、16日に日本薬剤師会・日本保険薬局協会・日本チェーンドラッグスト協会、22日に日本歯科医師会と共催でそれぞれ開いている。

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