参院選の組織内候補に日医常任理事の釜萢敏氏を擁立 日医連(2024年1月31日)
日本医師連盟(委員長=松本吉郎日本医師会会長)は1月31日に会見を開き、来年夏の参院選挙の組織内候補として日本医師会常任理事の釜萢敏氏(写真)の擁立を決めたことを発表した。【社会保険旬報編集部】
会見で釜萢氏は、「人口が減少し急激な少子化が進む中で、日本の優れた医療・介護体制を維持していくことは容易ではないが、少しでも長続きするように全力で取り組みたい」と抱負を述べた。今後、日医連は現職の組織内議員である羽生田俊氏の後任として、自民党の比例区代表候補として公認を得るために調整を進めていく。
釜萢氏は1953年生まれの70歳。所属は羽生田氏と同じ群馬県医師会で、2005年~2011年に高崎市医師会会長、2014年から日医常任理事を務めている。新型コロナ対応に尽力を尽くし、現在も政府の「新型コロナウイルスアドバイザリーボード」の構成員。
組織内候補の応募について「日医に来て6月で10年になる。この間、医療政策の決定プロセス、国民に理解してもらうことの重要性を感じることが多かった。その経験を生かすことができればと思ったことが理由だ」と述べた。
診療報酬改定における役割を継続・強化
一方、「年齢のこともあって、決断まで少し時間がかかった」と昨年12月に決断したことを明らかにし、「年末の令和6年度診療報酬改定の動きのなかで、日医連の組織内議員の働きが非常に重要だと改めて感じ、その役割を継続し、さらに強化していきたいと思った」と理由を示した。
今後の医療分野における課題としては、「医師の養成と専門医のあり方」「医療・介護の持続可能性を担保するための財源確保」の2点をあげた。財源確保については「財源に限りがある中で、いかにバランスを取って必要なところに手当てするかが最も大事な課題になる。全体をよく見て、多くの人たちの納得を得る作業に取り組まなければならない」と述べた。
今後、釜萢氏は6月の任期満了までは日医常任理事の職務を継続し、その後は選挙活動に取組む考えを示した。
松本委員長「釜萢氏は候補者の条件を十分満たす」
一方、日医連の松本委員長は、釜萢氏の擁立を決めたことについて、「日医の考える、国民の命と健康を守る医療政策を実現させるためには日医を代表し、日医連が擁立する議員は不可欠である」とした上で、候補者の条件として①圧倒的な得票が期待できる力量を持つこと②地域医療に携わり、課題にしっかりと取り組んでいること③適切な政策推進のためには幅広い人脈があり、または大きく人脈を築く能力があること―を挙げた。「釜萢氏は、これらの条件を十分に満たしている」と訴えた。
自民党が内規で、参院の比例代表候補の「70歳定年制」を設けていることについて松本委員長は、「支持団体が余人をもって代えがたい候補者と決議し、総裁が認めた場合は例外的に取扱うことができる。これまでも日医に限らず、70歳を超えて立候補して当選した人もいるので、党本部にしっかりお願いして公認申請を進めていきたい」と述べた。