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在宅医療のためのNP創設に日医や病院団体が提言(2023年5月24日)

日本医師会は24日の会見で、「ナースプラクティショナー(NP)」についての提言を発表した。在宅医療の課題を解決するためのNP創設に対し、慎重な対応を求めている。

規制改革推進会議の医療・介護・感染症対策ワーキンググループにおける「ナースプラクティショナー(NP)」に関する議論について説明する日本医師会の釜萢敏常任理事=5月24日

規制改革推進会議の医療・介護・感染症対策ワーキンググループで、在宅医療の課題を解決するための新たな資格としてNP創設を求める意見が出ていることから、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会と共同でまとめた。

提言では、「医療機関および訪問看護ステーションがともに連絡体制について今一度確認し、連携体制を強化することが第一に行われるべき。その点を改善しないまま、新たな資格により看護師が診断・処方をすれば解決するということはあり得ない」と訴えた。

医療安全の確保や医療事故に対する責任の所在、新たな職種が実際に役割を担えるかなどの「根本的な議論が不可欠」と指摘し、「十分な議論なしに判断が下されるのであれば、日本の将来の医療提供体制にとって、悪影響を及ぼすことが懸念される」とした。

一方、「訪問看護師が抱える難しさや、医師・医療機関への要望にも耳を傾け、改善すべきところは改善していく」と明記。
あわせて、「在宅医療分野における特定行為研修を推進していくことは必要」との認識を示した。

会見で日医の釜萢敏常任理事は「医師と訪問看護師との連携をさらに深めていくことで課題は解決できると思う。しかし、NPが必要だと強く主張する人もおり、今後この問題が議論の俎上に上ってくる可能性があるため、私どもの考えをしっかり申し上げておきたい」と述べた。

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