見出し画像

柔整・あはき検討会がオンライン資格確認の導入と義務化を了承(2023年9月22日)

社会保障審議会医療保険部会の柔道整復療養費検討専門委員会(遠藤久夫座長)、あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会(同座長)は9月22日、オンライン資格確認の導入スケジュールについて了承した。受領委任契約を行っている施術所を対象に、令和6年4月以降にオンライン資格確認を開始し、令和6年秋以降に導入を義務化する。同29日の医療保険部会に報告された。

療養費は、患者が保険者に直接請求し支給を受ける「償還払い」の仕組みがとられる一方で、患者の負担軽減や療養費の適正な請求を図るため、患者に代わって保険者に請求する「受領委任払い」が認められている。その際、施術者等は患者の被保険者証により療養費を受領する資格があることを確認することとされている。

厚労省は今回、令和6年秋以降の保険証廃止に伴い、柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の施術所等を対象に、「資格確認限定型」の簡易な資格確認の仕組みを構築するとした。専用の読み取りアプリを開発、配布し、施術者等はインターネットを通じて資格情報を取得することとなる。

導入にあたっては、今年10月にポータルサイトを開設し、施術所に向けた情報提供や周知を図るとともに、接続運用テストを行い、来年4月の導入開始をめざす。

導入できない施術所の6月以降の受領委任が課題

柔整専門委員会では、オンライン資格確認義務化に向けたていねいな対応と周知を求める意見が相次ぐとともに、来年6月以降に義務化された場合の受領委任払いのあり方について指摘された。

協会けんぽの吉森俊和委員は、「マイナカードと保険証の一体化は避けて通れない話。そのメリットを生かす意味では、入り口としてオンライン資格確認は当然の流れ」とした上で、「インフラが二重投資にならないように留意しながら、ていねいに議論を進めることが必要。セキュリティ面をどう担保するかもしっかり議論していく必要がある」と指摘した。

日本医師会の釜萢敏委員は、施術団体に対して、「来年10月までの間に、各施術所でどのくらい対応が可能になっているのかを把握し、なるべく円滑進むように対応してほしい。進捗が遅ければ厚労省が働きかけるように、現実的な推進をお願いしたい」と述べた。

健保連の幸野庄司委員は、「実際に患者に対してどう運用するのか、ランニングコストをどう賄うのか、資格情報の安全確保をどう図るのか、受領委任協定のなかで必要なものを盛り込むべき。事情があって導入できない施術所に対して受領委任を継続するのかについては、大きな議論になるだろう」と述べた。
加えて、「来年4月の導入までに、どのような周知を図り、取組みを進めるのか」を確認。厚労省は「これまでも地方団体や関係団体から説明会の求めがあれば、仕組みの解説や導入意義を説明してきた。今後も関係団体を通じて積極的に周知したい」と回答した。

日本柔道整復師会の田代富夫委員は、「スケジュールはタイトだと思っているが、これに沿っていけるように努力したい」と答えるとともに、厚労省に対して、往療時におけるインターネット接続の不具合等、やむを得ない事情によりオンライン資格確認ができない場合への検討を求めた。

あはき専門委員会では、導入にあたり、視覚障害者の施術者への配慮を求める声が多くあがった。


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

社会保険研究所ブックストアでは、診療報酬、介護保険、年金の実務に役立つ本を発売しています。