訪問看護ST看護師や開設者による利用者の状態踏まえない一律の日数決定は不可(2024年10月22日)
厚労省保険局医療課は10月22日、地方厚生局等に宛てて事務連絡を発出し、指定訪問看護の提供における日数等についての具体的解釈を示した。利用者の個別の状況を踏まえずに、訪問看護ステーションの看護師等が一律に訪問看護の日数等を定めることや、訪問に携わっていない開設者等が訪問看護の日数等を定めることは認められない。利用者の状態にかかわらず一律に回数を定めて訪問看護を行っている事例がある等の報道があったことを踏まえ、指定基準省令および通知の順守を改めて呼びかけたもの。
指定訪問看護の提供については、「基準省令」および「基準通知」において取扱方針が示されている。
指定訪問看護事業者は、基準省令に従い、訪問看護を受ける者の心身の状況等に応じて、自ら適切な指定訪問看護を提供しなければならないとされている。また、指定訪問看護の提供に当たっては「漫然かつ画一的なものにならないよう」「主治医との密接な連携のもと」「訪問看護計画の修正を行い、改善を図る等に努めなければならない」こと等が基準通知で示されている(下図)。
利用者の状況に即した提供を改めて求める
今回の事務連絡では、基準省令および基準通知の規定を踏まえ、指定訪問看護の「日数」「回数」「実施時間」「訪問する人数」については、訪問看護ステーションの看護師等が訪問時に把握した利用者や家族等の状況に即して、主治医から交付された訪問看護指示書に基づき検討されるものだとした。
したがって、訪問看護ステーションの看護師等が利用者の個別の状況を踏まえずに一律に訪問看護の日数等を定めるといったことや、利用者の居宅への訪問に直接携わっていない指定訪問看護事業者の開設者等が訪問看護の日数等を定めるといったことは認められないものとした。
訪問看護の不適切な提供を巡っては、5月8日の衆議院厚生労働委員会において、武見敬三厚労相(当時)が委員の質問に対し、精神科訪問看護の回数や時間等は「患者の心身の状況などを踏まえて適切に決定されるべき」ものとして、「必要に応じて事実確認等を行う」と答えている。