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社会保険旬報 Web医療と介護

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被用者保険の適用拡大で国保の加入者は110万人減(2024年12月12日)

社会保障審議会医療保険部会は12月12日、被用者保険の適用拡大について議論を行った。厚労省は「賃金要件の撤廃」「企業規模要件の撤廃」「非適用業種の解消」を実施した場合の医療保険財政への影響試算を公表した。試算によれば、協会けんぽ以外の保険者は収支がプラスとなる。 試算によると、適用拡大が与える財政影響は次の通り。 協会けんぽ:▲510億円 健保組合:+190億円 共済組合:+280億円 市町村国保:+170億円 適用拡大で国保の加入者は110万人減加入者数の変動に

報酬改定による急性期・回復期病院への経営影響を公表 WAM(2024年11月27日)

福祉医療機構(WAM)は11月27日、令和6年度診療報酬改定の影響を分析したアンケート調査(急性期および回復期関連)の結果を公表した。10月以降の経過措置終了後に、急性期一般入院料1の該当患者割合を「満たすことができない」との回答が回答病院の1割を占めた。地域包括ケア病棟入院料では、2024年度改定で導入した入院料の「逓減制」により、回答病院の2割以上が減収となった。調査は9月9日から10月11日までWeb形式で実施され、298法人から回答を得た(回答率20.3%)。 急性

経済財政諮問会議が社会保障改革を議論(2024年12月3日)

政府の経済財政諮問会議は12月3日、社会保障改革について議論した。民間議員は社会保障の持続可能性確保に向けて、給付と負担の改革の継続を求めた。 写真:予算編成の基本方針や持続可能な地方行財政・社会保障に向けて議論を行う石破首相ら経済財政諮問会議=2024年12月3日・総理大臣官邸(首相官邸提供) 民間議員は、「持続可能性の確保に向けた社会保障改革」と題する意見書を提出した。意見書で、社会保障改革は健康で生涯活躍できる社会を実現するほか、保険料負担の上昇の抑制による可処分所

健保連など被用者保険5団体が医師偏在是正へ意見書(2024年11月29日)

健保連、協会けんぽ、経団連、日本商工会議所および連合の5団体は11月29日、「医師偏在是正に向けた被用者保険関係5団体の意見」を福岡資麿厚労相に提出した。医師偏在対策における基本的な考え方として、「医師多数対策と医師少数対策の一体的な実施が重要である」と強調した。その上で、「都道府県と大学病院の連携協定による医師派遣調整機能や、国による全国的なマッチング機能を強化しつつ、規制的手法を中心に、より強力な対応を進めるべきだ」と主張した。 写真:経団連ホームページ 厚労省に対し

医師養成過程を通じた医師の偏在対策をまとめる(2024年11月29日)

厚労省の「医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会」(遠藤久夫座長)は11月29日、医師の養成過程を通じた医師偏在是正策の内容を大筋で了承し、取りまとめに必要な文言調整などについて座長一任とした。 医師偏在是正策のうち、医師の養成過程に関する部分の主な柱は以下の4点にまとめられる。 医師多数県の臨床研修募集定員の上限5%以上を対象に、医師少数県などで24週以上の研修を取り入れる「臨床研修の広域連携型プログラムの制度化」 学会や病院団体の協力を得て、総合診療に関

ヘルスケア産業PFが中間年薬価改定の廃止などを要請(2024年12月2日)

医薬品・医療機器関連の労働組合で構成するヘルスケア産業プラットフォーム(篠原正人代表、写真左から3人目)は12月2日、中間年薬価改定の廃止などを盛り込んだ薬価・材料制度改革を求める要請書を厚生労働省の内山博之医薬産業振興・医療情報審議官に提出した。 要請書(下記)では、①中間年薬価改定の廃止②各流通当事者が不採算に陥ることのない、安定供給に資する薬価・流通・材料制度の構築③イノベーション創出および良好な患者アクセスを実現する薬価・材料制度の構築④予防やセルフメディケーション

高額療養費の引き上げ試算、10%で保険料▲3500億円(2024年12月5日)

社会保障審議会・医療保険部会は12月5日、高額療養費制度の見直しについて議論した。厚労省は、高額療養費の自己負担限度額を一律5~15%引き上げた場合の試算を提示。10%引き上げた場合、年間の保険料は▲3500億円、給付費は▲5000億円、実効給率の低下幅は▲0.59%の効果がみられた。 写真:医療保険制度改革等を議論する社会保障審議会医療保険部会=12月5日 試算では、住民税非課税区分を除く各所得区分を細分化した上で、機械的に自己負担限度額を5%、7.5%、10%、12.

国民民主が中間年薬価改定廃止を石破首相に申入れ(2024年12月6日)

国民民主党は12月6日、石破茂首相に対し、中間年薬価改定廃止を求める緊急申し入れを行った。 写真:石破茂首相・福岡資麿厚労大臣に、中間薬価改定に関する申入れを行う国民民主党の浜口誠氏(右から3人目)ら=12月6日 緊急申入れでは、「診療報酬改定がない年の薬価改定いわゆる中間年薬価改定は、2016年12月に当時の4大臣によって決定された『薬価制度の抜本改革に向けた基本方針』(4大臣合意)に基づき実施されているが、当時の前提や環境の変化を踏まえ、中間年薬価改定を廃止し、薬価制

高額療養費制度の見直しで方向性 自己負担限度額引き上げと所得区分の細分化(2024年11月21日)

厚労省は11月21日、社会保障審議会医療保険部会に高額療養費制度の見直し案を提示した。自己負担限度額の引き上げるとともに所得区分を細分化する。委員から特段の反対意見はなく、一定の方向性が示された。 厚労省は、高齢化の進展や医療の高度化によって、高額療養費が全医療費の6~7%を占めるまでに総額が増加していることを紹介。一方で、自己負担限度額は実質的に維持されてきたことから、医療保険制度の実効給付率が上昇している現状を説明した(下図)。 また、前回見直しを行った平成27年以降

日医・松本会長が財務省の提案に反論(2024年11月20日)

日本医師会の松本吉郎会長は11月20日の会見で、11月13日に財政制度等審議会財政制度分科会で示した社会保障改革案について見解を示し、地域別単価の導入など財務省の医師偏在対策に反論した。 医療機関「見える化」は慎重運用を財務省が提案した医療機関の経営情報の「見える化」に対して、松本会長は慎重な運営を求めた。現在、医療機関が特定されない形で「経営情報データベース」が導入されており、職員の職種別給与や人数の提出は任意となっている。このデータベースは令和8年5月までに研究者に提供

医師偏在是正プランを策定し診療報酬で支援――新地域医療構想検討会で方針(2024年11月20日)

厚労省は11月20日の「新たな地域医療構想等に関する検討会」(座長:遠藤久夫)で、医師偏在対策の具体案を示した。全国で100か所程度を「重点医師偏在対策支援区域(仮称)」に指定し、「医師偏在是正プラン(仮称)」を策定。経済的インセンティブを含む支援を進める方針を明らかにした。財源については診療報酬の活用を基本とし、患者負担の増加が懸念される場合には保険者からの協力も求める考えだ。 重点支援区域の選定基準を提示厚労省は「重点医師偏在対策支援区域」の選定基準として、以下の要素を

令和6年度上半期出産費用は51.8万円 一時金引き上げ前の令和4年度より3.6万円増加(2024年11月13日)

厚労省は11月13日、「妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会」で出産費用について報告した。令和6年度上半期の正常分娩の平均出産費用は51.8万円となり、令和5年度の50.7万円からさらに増加。出産育児一時金が引き上げられる前の令和4年度の48.2万円と比較すると3.6万円増加していることがわかった。 出産育児一時金は、昨年4月に原則42万円から50万円に引き上げられた。正常分娩の平均出産費用(室料差額や産科医療補償制度の掛金等を除いた妊婦合計負担額)の状

財務省「特定過剰サービス」の報酬減算を提案 医師偏在対策に活用(2024年11月13日)

財務省は11月13日、令和7(2025)年度予算編成に向けた建議を議論する財政制度等審議会・財政制度分科会に、診療報酬を活用した医師偏在対策の新たな措置を提案した。ある地域の特定の診療科の医療サービスが過剰であると判断される場合に診療報酬の減算を行う「特定過剰サービス」の導入が柱となる。 財政審は、令和7年度予算概算要求に向けた春の建議でも単価見直しを求め、「診療所過剰地域における診療報酬1点当たり単価を引き下げた分の公費節減効果を活用して医師不足地域における対策を強化する

認知症治療薬の高額化対応方針を中医協が承認(2024年11月13日)

高額薬剤による市場規模の拡大が予想される認知症分野の医薬品について、医療保険財政への影響を可能な限り抑えるための対応方針が11月13日の中医協総会(小塩隆士会長)で承認された。対象となる薬剤は、エーザイの「レケンビ点滴静注」と日本イーライリリーの「ケサンラ点滴静注液」。 対応方針には以下の主な対策が含まれている。 市場拡大再算定 薬価収載後の投与全症例を対象とした使用成績調査の結果と、NDB(全国医療データベース)を活用した四半期ごとのデータを基に、再算定の適否を判断す