医師不足対策を厚労省と文科省に提言 地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会(2024年8月9日)
医師少数県12県で構成する「地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会」(会長=達増拓也岩手県知事)は9日、「医師不足や地域間偏在の根本的な解消に向けた実効性のある施策の実施を求める提言」を厚労省と文科省に提出した。提言では、医療従事者の養成・確保や医師の地域偏在解消のための仕組みづくりなどを提案している。
医師をはじめとする医療従事者の養成・確保については、大学医学部の医師養成体制の強化を求めた。具体的には、医学部臨時定員地域枠について「医師少数県の医学部臨時定員増を延長するとともに、臨時定員増の医師養成数を恒久的な措置とすること」「医師不足が顕著な医師少数県については、恒久定員内に設定すべき地域枠の割合(5割程度)の要件を見直し、または県内大学の恒久定員内への地域枠設定状況にかかわらず、臨時定員増を積極的に認めるなど、医師確保にかかわる柔軟な運用を行うこと」などを要望した。
医師の地域偏在解消のための仕組みづくりについては、都道府県が取り組んできた医師確保・偏在対策をさらに実効性のあるものとするため、国に地域偏在解消の仕組みづくりを行うことを求めた。
地域医療介護総合確保基金「重点的な配分を確実に」
医師の地域勤務を促すための施策については、「医師少数区域での勤務経験を管理者の要件とする病院を、地域医療支援病院に限らず全ての病院に拡大すること」を提言した。
医師確保対策等への強力な財政支援については、都道府県が医師確保計画に基づき実施する医師の確保・偏在対策のための施策に対し、財政支援等を行うことを求めた。地域医療介護総合確保基金については、「十分な財源を確保するとともに、医師少数県等へ重点的に配分するとの方針を踏まえた客観的な配分基準を示し、医師少数県への重点的な配分を確実に行うこと。制度設計にあたっては、あらかじめ都道府県と十分な協議を行うこと」を要望した。