医師不足12県の「知事の会」が医師確保・偏在解消策を提言(7月21日)
医師不足の12県の知事で構成される「地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会」(会長=達増拓也・岩手県知事)は7月21日、医師不足の解消と医師偏在の是正に向けた提言を決議した。提言では、医師少数区域での勤務経験を、全病院の管理者の要件にすることなどを国に求めている。
同会は1月31日、都道府県で連携して、医師の確保と偏在の是正を目指す活動を行うための組織として、青森・岩手・福島・新潟・長野・静岡の6県の知事が設立した。その後、秋田・山形・茨城・栃木・群馬・宮崎の6県が加わり、7月21日にオンラインで初会合を開催し、提言を決議した。
提言では、下記の事項を国に求めている。
◇既設医学部の大幅な定員増加・医学部新設を可能にすること
◇卒後臨床研修において地域の医療機関で研修する期間を、現行の4週間から「半年程度」まで拡大する
◇専門研修制度ではシーリングを厳格に実施し、都市部から地方に指導医を派遣した場合に派遣元病院にインセンティブを付与するなど、地方の指導環境を充実させるための制度を創設する
◇医師少数区域での勤務経験を、現行の「医師派遣機能などを持つ地域医療支援病院」のみでなく、すべての病院の管理者の要件にする
◇医師確保対策等への強力な財政支援
達増会長は、8月7日に厚生労働省を訪問し、提言を提出する予定。