UAゼンセンは6月18日、国民民主党と政策懇談会を開き、「中間年薬価改定の廃止を求める要請書」を提出した。「医薬品産業全体を疲弊させ、様々な歪みを生みだす要因である中間年薬価改定を廃止していただきたい」と訴え、骨太方針の策定に向けて政府への働きかけを求めている。
要請書では、「度重なる薬価引き下げに物価高騰の影響が加わるという構造的な課題を前に現場レベルで対応できる範囲は限定的であり、我が国における国民生活に必要不可欠である医薬品の安定供給さらにはイノベーション創出環境を取り戻すためには、中間年改定を廃止し安定供給基盤を再構築することが強く求められている」と指摘し、政府が示した骨太方針の原案の記載が不十分であることから、政府への働きかけなどを求めた。
その上で、「終わりの見えない供給不安に終止符を打ち、品質の高い医薬品を安定供給し続けることが可能な体制を再構築するために、またドラッグラグ・ロスを解消し、イノベーション創出力を取り戻すために、まずは、医薬品産業全体を疲弊させ、様々な歪みを生みだす要因である中間年薬価改定を廃止していただきたい」と要請している。
一方、同日の懇談会では国民民主党の議員から、ジェネリック企業の再編に向けた意見が出た。
これに対し、UAゼンセンは、「現状少量多品目生産等一部非効率な生産はあり、大きな方向性等して効率的な生産体制構築に進んでいくことには異論はない」「一方で、急激に一つの企業や工場に集約化が進んでしまうと、当該企業や工場で問題があった場合に、供給が途絶してしまうリスクが高まることとなることから、リスク分散の視点も踏まえつつ、また労働者の雇用確保にも十分配慮しながら丁寧に産業構造の見直しを進める必要がある」「そのためには、中間年改定をやめて、腰を据えて抜本的な見直しが必要である」と回答している。
関連記事