関係団体から2回目のヒアリング実施――被用者保険適用在り方懇談会
第3回働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会(座長=菊池馨実 早稲田大学理事・法学学術院教授)が3月18日に開催され、第2回(3月7日開催)に続き関係団体(日本チェーンストア協会/一般社団法人日本総菜協会/一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会/UAゼンセン)からのヒアリングを行った。
日本チェーンストア協会は、「賃金要件や時間要件から画一的に適用拡大を図ることは、個人の生活や企業の事業活動にとって短期かつ中長期に大きな影響を及ぼし、負担感も大きい。慎重に検討すべき」と短時間労働者に対する今後の社会保険の適用に対して意見を述べた。
日本惣菜協会は会員社を対象に行った「社会保険適用拡大に関するアンケート結果」について報告。適用拡大への対応において国に求める効果的な支援策として、「手続きの更なる簡素化」「様々な個人的要件を考慮できる簡便なシミュレーションシステム」「人材不足の加速を打破する支援」「社会保険加入による手取り金額減少に対して、企業への助成金ではなく、勤労者個人への給付金の支給」などの回答があったことを説明した。
全国ハイヤー・タクシー連合会は、自動車運運転者の働き方改革による人手不足やライドシェアへ対応から、定年退職者の継続雇用や定時制乗務員(週所定労働時間40時間未満の者)の新規採用等で乗務員確保を図っている現状を説明。被用者保険の適用は乗務員の確保を困難にし、65歳以上が8割を占める定時制乗務員が被用者保険のメリットを感じていないということから、被用者保険の適用拡大には消極的な姿勢を示した。
USゼンセンからは、組合員の意識調査などの回答結果が示された。適用拡大への対応上有効な取組・支援としては、「法定最低賃金をスピード感もって引き上げ、引上げの明確な水準目標と期限を示し、企業・労働者に働き方の検討を促す」「キャリアアップ助成金の社会保険適用時処遇改善コースの取組好事例を活用する」などの回答が示された。
第3回「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」資料