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日医が財政審の建議に反論「大幅なプラス改定が必要」(2023年11月22日)

日本医師会の松本吉郎会長は22日の会見で、財政制度等審議会が同20日にまとめた建議について見解を示した。本体マイナス改定の主張に対し、「大幅なプラス改定が必要」と反論した。【社会保険旬報編集部】

松本会長(写真)は「休日や睡眠を削りながらコロナ対応に奮闘した医療機関に対し、まったく評価しないかのような建議が出されたことは大変遺憾だ」と訴えた。

本体マイナス改定が適当とした建議の主張について、「まったくもって現実的でなく、大幅なプラス改定が必要だ」と強調。その上で、「コストカット最優先の主張であり、岸田政権が掲げるコストカット型経済からの完全脱却の方針に背くものだ。がんばったところから召し上げるのは、通常の医療とコロナ対応でがんばった医療従事者のまさに『心の折れる』建議である」と述べた。

診療所の経常利益率が8.8%と高く、診療所の報酬単価を引き下げるべきとの提言に対しては「コロナ特例の影響を除いた診療所の医業利益率は3.3%程度であり、引き下げの余地は全くない。財務省は経常利益率をみて主張を展開しているが、経常利益は一過性の補助金などを含む収益であることから診療報酬による対応は医業利益率でみるべきだ。財務省は意図的な資料を作成しており、苦しまぎれの証拠だ」と批判した。


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