日医会長が財務省の意見に反論「診療所が儲かっているという印象与える恣意的なもの」(2023年11月2日)
日本医師会の松本吉郎会長(写真)は2日の会見で、前日の財務省の次期診療報酬改定の意見について反論した。
財務省が指摘した診療所の収益状況のデータについて「直近の3年間はコロナ禍の変動が顕著で、コロナ特例の上振れ分も含まれている。そもそもコロナ禍で一番落ち込みが大きかった2020年度をベースに比較すること自体ミスリードと言わざるを得ない。儲かっているという印象を与える恣意的なものだと言わざるをえない」と述べた。
診療所・病院・調剤の経営状況や課題などを踏まえメリハリのある改定を求めたことに対し、「病院と診療所は、役割分担の違いはあるが、患者が受ける治療は一連のもので、差はない。医療・介護業界が物価高騰などの課題に一丸となって取組んでいるなか、特定の領域の賃上げの対応は必要ないという主張は到底受け入れ難い」と述べた。
診療所に意見が集中したことには、「極めて遺憾である。病院と診療所は一連の事業を行っており、診療所が良くて病院が悪いといった議論ではない。コロナを含む疾患に対して一丸となって戦っている状況だ。診療所の経営データは意図的にコロナで一番落ち込んだ時期を起点として経常利益プラス8.8%に上昇したと主張するが、そのような状況ではない。現状の課題を解決するためには大幅なプラス改定が必要だ。基本的には基本診療料である初診・再診料の引き上げを強く求めたい」と述べた。