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訪問診療のオン資は「マイナ在宅受付Web」を活用――オン診のみの補助金は診療所9.7万円上限(2023年9月29日)

厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会は9月29日、訪問診療やオンライン診療におけるオンライン資格確認に関して、導入の手順や財政支援等を検討した。訪問診療のオン資には「マイナ在宅受付Web」を活用すること等が示された。

訪問診療等におけるオンライン資格確認は、「居宅同意取得型」と呼ばれるしくみで行われ、マイナンバーカードによる本人確認に基づく「資格情報取得」と「薬剤情報等の提供に関する同意」は、医療関係者が持参したモバイル端末等を用いて実施される。

訪問診療等においては、医療関係者が患者宅等を訪問することから、患者のなりすましリスクが低いことなどを踏まえ、2回目以降の訪問診療等においては、医療機関等において再照会機能を活用した資格確認を行うとともに、薬剤情報等については、初回時の同意に基づいて取得可能なしくみとなる。

ただし、その期間については、当該医療機関等との継続的な関係のもと訪問診療等が行われている間に限られ、例として、「初回から3か月後の末日までの期間」に加え、その後は、診療等の継続(毎月診療等が行われていること)をレセプトにより確認する方法が示されている。
なお、「往診」においては、訪問の都度、資格確認を行うとともに薬剤情報等の提供に係る同意取得が必要なことに注意が必要である。

  • 資格確認(再照会機能)
    あらかじめ医療機関等において、初回時にマイナンバーカードの本人確認により取得した患者の「被保険者番号」を用いて、オンライン資格確認等システムに最新の資格情報を照会し、取得(資格確認方法としての再照会の法令上の位置づけについて検討を行う)

  • 薬剤情報等の提供に係る同意取得
    訪問診療等における患者宅等への初回訪問時に、モバイル端末等を用いて、同意登録を行う(同意は当該医療機関等との継続的な関係のもと訪問診療等が行われている間は有効)
    ⇒同意登録をしている患者について、患者の「被保険者番号」により、患者の薬剤情報・特定健診等情報等を取得

訪問診療等における居宅同意取得型のオンライン資格確認の手順は、次の通りとなっている。

①医療機関等のモバイル端末等からWebサービスである「マイナ在宅受付Web」へアクセスし、
②診療/薬剤情報・特定健診情報等の提供について、患者が同意の有無を選択する(登録する同意情報の内容を確認)。
③モバイル端末等にあらかじめインストールした「マイナポータル」アプリに遷移して、患者が4桁の暗証番号を入力、その後、④マイナンバーカードをかざし、本人確認を行う(初回のみ)。
⑤「マイナ在宅受付Web」に薬剤情報等の提供に関する同意情報が登録される。その後、患者の資格情報を取得し、医療保険における資格確認を行う。

オンライン診療等における資格確認は患者のスマホ等を用いて実施

オンライン診療等における資格確認や、薬剤情報等の提供に関する同意は、患者本人のモバイル端末またはPCを用いて実施する。
薬剤情報等の提供に関する同意については、通常の外来診療と同様に、医療機関等を利用する「都度」実施するしくみであるため、訪問診療とは違うことに注意が必要である。

患者は、マイナポータルアプリを活用して、4桁の暗証番号の入力による本人確認を行った上で、マイナンバーカードを読み取り、医療機関等を「指定」して、薬剤情報等の提供に関する同意を登録する必要がある。

なお、このときのWebサービス(居宅同意取得用)へのアクセスについては、オンライン診療等アプリとAPI連携を行う予定で、患者本人がWebサービス(居宅同意取得用)へ直接アクセス可能なしくみも実装される予定となっている。

訪問診療・オン診を両方実施の場合、補助金は診療所12.8万円上限

訪問診療・訪問服薬指導やオンライン診療・オンライン服薬指導のオンライン資格確認導入に係る財政支援として、「社会保障・税番号制度システム整備費等補助金」から、以下の区分に応じて、補助率・補助限度額等が定められている。

対象となるのは、訪問診療等における①マイナンバーカードの読取り・資格確認等のためのモバイル端末等の導入費用、②レセプトコンピュータの改修費用。
事業額上限は、①が4.1万円、②が病院78.1万円、診療所・薬局が13万円となっている。なお、上限額については、訪問診療等とオンライン診療等の両方を実施している場合の額である。

一方、オンライン診療等における財政支援の対象は、レセプトコンピュータの改修費用のみで、事業額上限は病院78.1万円、診療所・薬局13万円となっている。

なお、訪問診療のみを提供する既存の医療機関等は、オンライン資格確認のシステム本体の導入補助(医療情報化支援基金)を活用した上で、居宅同意取得型の本導入補助を受けることとなる。

訪問診療等補助金
オンライン診療等補助金

訪問看護のオンライン請求のスケジュール等を議論

このほか9月29日の医療保険部会では、オンライン資格確認での負担割合違いによる過払い金への対応や、訪問看護へのオンライン請求・オンライン資格確認の導入義務化等が議論された。

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