医療・介護提供の財源確保を決議、国民医療推進協議会が総決起大会(2023年12月4日)
医療・介護関係42団体で構成する「国民医療推進協議会」(会長=松本吉郎日本医師会会長)は12月4日、東京・駒込の日本医師会館で「国民医療を守るための総決起大会」を開催した。大会は約200名の国会議員を含む約1,100名が参集。物価高騰や賃金上昇に対する取り組みを進め、国民に不可欠な医療・介護を提供するための適切な財源の確保を求める決議を採択した。【社会保険旬報編集部】
主催者挨拶で松本会長は「政府では年末の予算編成に向けて議論が本格してきている。国民の生命と健康をしっかり守るためにも、医療・介護分野における物価高騰と賃上げへの対応は不可欠であり、必要財源を確保することが大変重要だ。医療・介護従事者への賃上げを行って、人材を確保し、診療報酬の思い切ったプラス改定しかない」と訴えた。
来賓挨拶した自民党の田村憲久政調会長代行は、財政制度等審議会の建議について「いろいろなデータを出し、いろいろなことをおっしゃってこられた。財政を守るための機関なので、わからなくもないが、物価が上がり、人件費を上げなければいけないと言っているなか、診療報酬改定をマイナスにするとは驚いた。中身は完全に分断を図ろうという意図が見え見えだ。開業医の狙い撃ちである」と批判した。
日医の茂松茂人副会長による趣旨説明の後、三名の協議会副会長が決意表明を行った。
日本歯科医師会の高橋英登会長は「医療機関、薬局、介護施設は最も大切な社会インフラであり、この社会インフラが崩壊したら不幸になるのは国民だ」、日本薬剤師会の山本信夫会長は「診療報酬をマイナス改定にするなら、経営が極めて脆弱な大半の薬局では経営がおぼつかなくなる」、日本看護協会の高橋弘枝会長は「医療・介護の現場を支えている人たちが、やりがいを持ってキャリアを継続できることが重要で、働きに見合った処遇は欠かせない」と述べた。
日本医療法人協会の加納繁照会長が決議文を提案し、満場の拍手で採択された。最後に日医の角田徹副会長の音頭による「頑張ろう」コールを三唱し、締めくくった。