令和3年度の国民医療費は45兆359億円で過去最高(2023年10月24日)
厚生労働省は24日、令和3年度の国民医療費を公表した。令和3年度の国民医療費は45兆359億円であり、前年度に比べ2兆694億円、4.8%の増加だった。新型コロナウイルス感染症の影響により令和2年度の対前年度増減率は4年ぶりにマイナスだったが、今回再びプラスに転じて過去最高となった。
令和3年度の国民医療費45兆359億円は、人口一人当たりでは35万8,800円であり、前年度に比べ1万8,200円、5.3%の増加となる。平成23(2011)年から令和3(2021)年の10年間での増加率は16.72%だった。また、国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は8.18%(前年度7.99%)となっている。
診療種類別にみると、医科診療医療費は32兆4,025億円(構成割合71.9%)、そのうち入院医療費は16兆8,551億円(同37.4%)、入院外医療費は15兆5,474億円(同34.5%)となっている(下図)。
対前年度増減率をみると、医科診療医療費は5.3%の増加、歯科診療医療費は4.9%の増加、薬局調剤医療費は3.0%の増加となっていた。
「国民医療費」とは、その年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用の推計をいう。医療保険などによる給付のほか、公費負担、患者負担によって支払われた医療費を合算する。保険診療の対象とならない費用や、正常な妊娠・分娩、健康診断、予防接種など、傷病の治療以外の費用は含まれない。
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