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令和6年度調剤報酬改定を答申 中医協(2024年2月14日)

中医協総会(小塩隆士会長)は2月14日、令和6年度診療報酬改定の内容をとりまとめ、武見敬三厚労相に答申した。調剤報酬については、薬局の体制の評価見直し、地域支援体制加算の見直し、在宅業務に関する報酬の見直し等を行う。

調剤基本料は3点引き上げ 

地域の医薬品供給拠点としての役割を担い、地域医療に貢献する薬局の整備を進めていくことや、職員の賃上げを実施すること等の観点から、調剤基本料1~3はそれぞれ3点引き上げる。

一方で、特別調剤基本料は引き下げる。また、特別調剤基本料はこれまで単一だったところ、「A(いわゆる同一敷地内薬局)」「B(調剤基本料の届け出がない薬局)」の区分を設ける。

特別調剤基本料Aを算定する薬局においては、特別な関係を有する医療機関への情報提供等に係る評価を見直す。また、医療機関の多剤処方時の薬剤料と同様に、敷地内薬局においても多剤調剤時の薬剤料を減額する規定を設ける。なお、答申書附帯意見において、同一敷地内薬局に関しては「当該薬局及び当該薬局を有するグループとしての評価」を引き続き検討することとした。

地域支援体制加算はかかりつけ機能を推進するための要件を強化

地域支援体制加算については、薬局の地域におけるかかりつけ機能の役割を果たし、地域医療に貢献する薬局を評価する観点から、かかりつけ機能を推進するための要件を強化する。地域支援体制加算1~4の点数は、それぞれ7点引き下げる(地域支援体制加算1:現行39点 → 改定後32点)。

施設基準のうち夜間・休日対応については、輪番制等の周囲の薬局と連携した体制でも引き続き可能とする。さらに、行政機関や薬剤師会を通じて地域における夜間・休日の対応状況を公表・周知するよう見直す。周知先として訪問看護ステーションを追加して明確化する。

後発医薬品調剤体制加算の点数は変更なし

後発医薬品調剤体制加算1~3の点数(現行21点、28点、30点)と指標(現行80%、85%、90%以上)は変わらない。

なお、特別調剤基本料Bを算定する薬局は本加算を算定不可とする。また、特別調剤基本料Aを算定する薬局は、それぞれの点数の100分の10(現行100分の80)に相当する点数を加算する。
この規定は、地域支援体制加算と在宅薬学総合体制加算でも同様とされる。

連携強化加算は第二種協定指定医療機関の指定要件を踏まえて算定要件を規定

連携強化加算については、改正感染症法の第二種協定指定医療機関の指定要件を踏まえて要件や評価を見直すとともに、当該加算の地域支援体制加算の届出にかかる要件については求めないこととする。
点数は現行の2点から5点に引き上げる。

算定要件として、今後、以下の事項を通知で規定する。

  • 新型インフルエンザ等感染症等の発生時において自宅療養者等に対する調剤、オンライン又は訪問による服薬指導、薬剤等の交付等に対応する体制

  • 要指導医薬品・一般用医薬品、検査キット(体外診断用医薬品)の販売

  • オンライン服薬指導を行うための必要な通信環境、セキュリティ対応等

  • 以下の研修の実施

    • 第二種協定指定医療機関の締結時に求められる新興感染症等の発生時における自宅・宿泊療養患者への対応に係る研修

    • 災害発生時における対応に係る研修

    • オンライン服薬指導実施要領に基づく、必要な知識を習得するための研修

  • 地域の住民が薬局の体制を把握できるよう、災害や新興感染症発生時における対応体制の確保について、行政機関や薬剤師会を通じて公表・周知

なお、令和年6年3月31日において連携強化加算の届出を行っている場合、令和6年12月31日までの間、施設基準を満たしているものとみなす経過措置を設ける。

多様な在宅ニーズに対応した薬局を在宅薬学総合体制加算で評価

在宅訪問を十分行うための体制を整備する薬局への評価として、在宅薬学総合体制加算を新設する。在宅薬学総合体制加算1は15点、同2は50点を調剤基本料に加算できる。

麻薬の備蓄や無菌製剤処理の体制、小児在宅医療の対応等の在宅訪問を十分行うための体制整備や実績を施設基準とする。

調剤基本料の加算としては以上のほか、医療DX推進体制整備加算を新たに設ける。月1回に限り4点を所定点数に加算する。

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