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診療録管理体制加算のサイバーセキュリティ対策でQ&A――令和6年度診療報酬改定QAその7(2024年5月31日)

厚労省保険局医療課は5月31日、令和6年度診療報酬改定に係る「疑義解釈資料の送付について(その7)」(QAその7)を発出した。診療録管理体制加算における技術的な要件を具体化したほか、特定集中治療室管理料の特定集中治療室遠隔支援加算に必要な研修内容を例示した。

A207診療録管理体制加算については今回改定により、非常時に備えたサイバーセキュリティ対策係る要件が見直され、施設基準通知に「非常時に備えた医療情報システムのバックアップを複数の方式で確保し、その一部はネットワークから切り離したオフラインで保管していること」などが追加されていた。

「QAその7」では、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」の「システム運用編」において「非常時に備えた通常時からの対応」の例として挙げられている「論理的/物理的なネットワークの構成分割」は、上記の施設基準通知でいう「ネットワークから」の「切り離し」に該当することが明示された。なお、ネットワーク全般の安全管理措置については、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」の「システム運用編」の「13.ネットワークに関する安全管理措置」を参照することとされた。

また、追記不能設定がなされた領域を有するバックアップ用機器またはクラウドサービスを利用した場合については、その特性も踏まえ、非常時にデータ復旧が可能な状態にある場合には、「ネットワークから切り離したオフラインで保管している」ものとみなして差し支えないとした。その場合、非常時におけるデータ復旧の手段や手順等について、医療情報システム・サービス事業者との契約書等に記載されているか、十分に確認することとされている。

特定集中治療室遠隔支援加算の被支援側医療機関は3か月に1回の研修等を要する

また、A301特定集中治療室管理料「注7」の特定集中治療室遠隔支援加算の被支援側医療機関の施設基準要件である「支援側医療機関から定期的に重症患者の治療に関する研修を受けていること」とされている。
QAその7では、上記「研修」とは、具体的には「概ね3か月に1回以上、例えば以下の内容を含む研修またはカンファレンス」であることが示された。

  • 遠隔支援が行われた又は遠隔支援を行うことが適当と考えられた重症患者の症例についての検討

  • 当該施設間の遠隔支援に係る組織体制、運用マニュアル等について(マニュアル等の改正の検討を含む)

  • 重症患者の治療に関する最新の知見について

なお、当該研修等はビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。

関連書籍

社会保険研究所発行『医科点数表の解釈 令和6年6月版』において「QAその7」は書籍巻末の追補として掲載を予定しています(下図)。

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