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診療報酬の地域別単価導入を提案 財務省(2024年4月16日)

財務省は4月16日の財政制度等審議会財政制度分科会に、骨太方針の策定に向けた、医療制度改革など社会保障の考え方を示した。医師偏在対策としては、診療所の偏在是正のため診療報酬の地域別単価導入を提案した。

財務省は4月16日、財政制度等審議会財政制度分科会に、診療所の偏在是正のための地域別診療報酬の導入を含む医療制度の改革項目を提示した。これには「質の高い医療の効率的提供」「保険給付範囲のあり方の見直し」「高齢化・人口減少下での負担の公平化」の3本柱が含まれる。また、セルフメディケーションの推進や金融資産を勘案した保険料の賦課対象の検討も提案した。

「質の高い医療の効率的な提供」では、経営情報の「見える化」や2024年度診療報酬改定、医師偏在対策、2025年までの地域医療構想などについて、改革の方向性を示した。

経営情報の「見える化」では、2023年8月に施行された改正医療法を踏まえ、医療機関が特定されない形で導入された「経営情報データベース」について、職員の職種別の給与・人数が任意提出項目となっていることを問題視し、義務化を主張した。

診療所不足地域と過剰地域で異なる単価を設定

医師偏在対策については、診療所の偏在是正のため診療報酬の地域別単価の導入を提案した。診療所不足地域と診療所過剰地域で異なる1点あたり単価を設定することで医療資源のシフトを図るもの。診療所過剰地域の1点あたり単価(10円)の引下げを先行させ、それによる公費の節減効果を活用して、医師不足地域における対策を別途強化する案も提示した。
医師過剰地域における新規開業規制については、供給水準が一定量を越えた場合に許可制限を行うドイツなどの諸外国の例を参考にすべきとした。

「高齢化・人口減少下での負担の公平化」に関しては、年齢ではなく能力に応じて負担する考え方を推進するため、金融所得、金融資産を勘案した仕組みの検討を提案した。

具体的には、保険料の賦課対象でない金融所得のうち、上場株式の配当など本人の選択により保険料の賦課対象になるかどうかが変わり得るものは、保険料の賦課ベースに追加し、負担能力の判定で活用することの検討を提案した。

負担能力を判定するための金融資産の保有状況の把握では、マイナンバーの活用を求めた。

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