厚労省は6月27日、「地域共生社会の在り方検討会議」の初会合を開いた。「地域共生社会」の実現に向けた方策などを検討し、今年度末に論点整理、来年夏を目途にとりまとめる方針。

地域共生社会の実現に向けた取組みについては、平成29年の社会福祉法改正により、市町村による包括的な支援体制の整備が努力義務規定として盛り込まれるとともに、令和2年の同法改正で重層的支援体制整備事業が新設された。 令和2年の改正法附則で施行後5年を目途として施行状況を検討するとされた。座長は宮本太郎中央大学教授。

検討項目は、①「地域共生社会」の実現に向けた方策（地域共生社会の実現に資する施策の深化・展開、重層的支援体制整備事業等に関する今後の方向性）②地域共生社会における身寄りのない高齢者等が抱える課題等への対応と多分野の連携・協働の在り方③成年後見制度の見直しに向けた司法と福祉との連携強化等の総合的な権利擁護支援策の充実――としている。

重層的支援体制整備事業や社会福祉法人の役割など議論

初会合では、厚労省が「議論の視点」として、①地域共生社会の実現に向けた取組み（包括的支援体制、重層的支援体制整備事業、分野横断的な支援体制づくり・地域づくり）②身寄りのない高齢者等が抱える課題等への対応（生活上の課題への支援、地域で支える体制）③総合的な権利擁護支援策の充実④その他（社会福祉法人の役割等）――を提示した。

宮本座長は、地域共生社会のビジョンを発展させていく上で大事となる3つの視点として「変化の方向性を見通す視点」「広い目配りでの戦略的発想」「現場に目をこらす共感的な眼差し」をあげた。

地域共生社会の在り方検討会議 構成員名簿

• 朝比奈ミカ（市川市よりそい支援事業がじゅまる＋（多機関協働等）・市川市生活サポートセンターそら総合センター長）

• 尼野千絵（特定非営利活動法人暮らしづくりネットワーク北芝地域ささえあい推進室コーディネーター）

• 石田路子（特定非営利活動法人高齢社会をよくする女性の会副理事長）

• 伊藤徳馬（茅ヶ崎市こども育成部こども育成相談課こどもセンター課長補佐）

• 奥田知志（特定非営利活動法人抱樸理事長）

• 勝部麗子（社会福祉法人豊中市社会福祉協議会事務局長）

• 加藤恵（社会福祉法人半田市社会福祉協議会半田市障がい者相談支援センターセンター長）

• 鏑木奈津子（上智大学総合人間科学部社会福祉学科准教授）

• 上山泰（新潟大学法学部法学科教授）

• 菊池馨実（早稲田大学理事・法学学術院教授）

• 栗田将行（社会福祉法人福岡市社会福祉協議会地域福祉部事業開発課長）

• 田中明美（生駒市特命監）

• 中野篤子（公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート常任理事）

• 永田祐（同志社大学社会学部社会福祉学科教授）

• 原田正樹（日本福祉大学学長）

• 松田妙子（特定非営利活動法人子育てひろば全国連絡協議会理事・特定非営利活動法人せたがや子育てネット代表）

• 宮本太郎（中央大学法学部教授）【座長】

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