育児・介護と仕事の両立支援でテレワーク導入を企業の努力義務に――厚労省研究会
厚生労働省の今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会は6月12日、育児・介護と仕事の両立支援制度の充実に関する対応方針を示した報告書案を大筋で了承した。報告書は、育児や介護などのライフイベントにかかわらず、すべての労働者の働き方改革を一層推進し、「残業を前提としない働き方」をめざして取り組んでいく重要性を強調した上で、労働者の希望やニーズに応じて気兼ねなく利用できる柔軟な両立支援制度の構築に向け、具体的な制度の見直しの方向性を提示した。同省は報告書等を踏まえ、労働政策審議会において制度改正に向けた審議を進めていく。
育児との両立支援制度に関しては、育児をしながらフルタイム勤務に近い働き方ができるよう、テレワークの導入を企業の努力義務とすることなどを提言。また、現行は子が3歳になるまでの期間が対象だった残業免除(所定外労働の制限)も、小学校就学前まで請求できるよう延長すべきとした。さらに「子の看護休暇」に関しては、取得目的を拡大するとともに、取得対象となる子の年齢を小学校3年生まで引き上げるべきなどと要請した。
他方、仕事と介護の両立支援制度に関しても、介護期の働き方としてテレワークを選択できるように努めることを企業に求める。さらに、既存の制度を利用しないまま介護離職するようなケースを防止するため、制度の周知と利用しやすい雇用環境の整備の重要性を強調。介護に直面した労働者の申出を契機に、企業が介護休業などの両立支援制度等に関する情報を個別に周知するほか、制度の利用を働きかけるよう求める。また、介護保険制度に関しても企業が労働者に対して制度の基本的な理解を促す情報提供などを行うとともに、社内研修の開催や相談窓口の設置などの整備も求める考えを示した。
今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会(6月12日)