夫婦の育児の負担割合は依然として妻が約7割占めるー全国家庭動向調査
国立社会保障・人口問題研究所(田辺国昭所長)は8月22日、令和4年(2022年)に実施した全国家庭動向調査結果を公表した。それによると、夫婦の1日の平均育児時間は以下のとおりで、育児時間の約7割(69.8%)を妻が負担していることがわかった。
だが、2018年の前回調査に比べると、夫の平均育児時間は平日で31分、休日で101分増加しており、夫の育児時間は増加傾向にある。
図 夫婦の1日の平均育児時間の推移
育児等の相談相手は「夫」が「親」を上回る
そうした傾向を受けてか、夫の育児に対する妻の期待と評価を見ると、夫の育児に「期待する」と回答した妻は58.6%で、前回調査(53.6%)から5ポイント増加した。また、夫の育児に対して「満足」と回答した妻は63.3%となり、同様に前回調査(57.1%)から6.2ポイント増加した。
妻が出産や育児で困ったときの相談相手として「夫」と回答する割合は48.7%となり、前回調査から約13ポイント増加して、初めて「親」と回答する割合(38.5%)を上回った。
「妻は主婦業に専念すべきだ」が初めて3割下回る
夫婦の役割分担に対する考え方では、「結婚後は、夫は外で働き、妻は主婦業に専念すべきだ」への賛成割合は29.5%となり、初めて3割を下回った。
また、「子どもが3歳くらいまでは、母親は仕事を持たず育児に専念したほうがよい」への賛成割合は前回調査(71.2%)から10ポイント以上も低下して61.0%となり、いずれも減少傾向にある。
一方で、「夫も家事や育児を平等に分担すべきだ」への賛成割合は86.7%となり、2018年の前回調査(83.7%)から3ポイント増加した。
調査は平成5(1993)年から概ね5年ごとに実施しており、今回が7回目。16,470世帯を対象に15,461票の調査票を配布し、有効回収票は8,910票(有効回収率54.1%)。今回の報告は、主に配偶者がいる女性(妻)が回答した5,518票の集計結果をとりまとめた。
国立社会保障・人口問題研究所ホームページ 第7回全国家庭動向調査