日医が医師偏在対策を発表 1000億円規模の基金創設求める(2024年8月21日)
日本医師会は21日、日医の医師偏在対策を発表した。「医師少数地域」への開業支援など5つの施策を提言するとともに、施策実現のために国による1000億円規模の基金の創設を求めている。6月の「骨太方針2024」において、年末までに政府による医師偏在対策の総合的パッケージの策定が記載されたことを踏まえたもの。
医師偏在対策として、
医師少数区域での勤務経験を求める管理者要件を公的・公立病院にも拡大する
医師少数地域で新たに診療所を開設する医師に対して開設から一定期間の資金支援策を創設するとともに、医師少数地域で働く医師の確保・派遣を強化する
医師不足地域での勤務を希望する医師に、リカレント研修や現場体験を行いつつ、医師少数地域での勤務を全国的にマッチングする仕組みを創設する
保険医療機関の管理者要件に、卒後一定期間の保険診療の実績を追加する
現行の地域に必要とされる医療機能を担うことへの要請の枠組みを制度化し、地域で足りない医療機能を強化し、実績をフォローアップする仕組みを導入する
これらの施策を5~10年で推進するための1000億円規模の「医師偏在対策基金」を国において創設する
――の6項目をあげた。
同日の会見で松本吉郎会長は、「これまでも医師偏在対策に取組んできたが、もう一段階ギアを上げて主体的かつ積極的に取組み、地域医療の強化につなげていきたい。都道府県における議論とこれまでの地域対策協議会による医師派遣などの取組みは引続き充実させていくことを前提にしつつ、国レベルでの具体的な方策を進めていくべきと考えている。今後は国に対し検討会等で提言・要望していきたい。政府・与党においては所要の検討を進めてほしい」と述べた。
基金創設については、来年度予算での予算確保を要請する意向を示した。