16Km超の往診が認められる絶対的な理由を例示(2023年12月28日)
厚労省は12月28日、医療機関から16キロメートル超に所在する患家への往診や訪問診療が認められる場合について疑義解釈で明確化した。患家の16キロメートル範囲内にかかりつけ医がある場合でも、やむを得ない事情で当該かかりつけ医療機関の医師が往診等できないといった場合、かかりつけ医に診療情報を共有すること等を条件に往診料等の算定が認められる。
医療機関と患家の距離が片道16キロメートルを超える場合、往診や訪問診療は、その医療機関からの往診等を必要とする「絶対的な理由」がある場合に限り認められる。根拠のない患家の希望による場合などは保険診療としては認められていない。
往診等を必要とする「絶対的な理由」についてはこれまで、①患家の所在地から半径16キロメートル以内に患家の求める診療に専門的に対応できる保険医療機関が存在しない場合、または②患者の求める診療に専門的に対応できる保険医療機関が存在していても当該保険医療機関が往診等を行っていない場合、の2つが示されていた(平成19年4月20日医療課事務連絡)。
今回はこれに加えて、普段から受診や相談等を行っているかかりつけ医がいるかを確認し、①患者から「いない」と回答を得た場合、または②かかりつけ医から対応不可との返答があった場合や連絡がつかなかった場合の2つを絶対的な理由として認める。ただし②の場合には患者に適切な医療を提供する観点から、事後にかかりつけ医に当該患者の診療情報を共有する。
なお、歯科における往診や訪問診療についても同様の扱いとしている。