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新たな地域医療構想の構築に向けた有識者ヒアリングを開催(2024年4月17日)

新たな地域医療構想等に関する検討会は4月17日、関係団体・有識者からヒアリングを実施した。香取照幸・未来研究所臥龍代表理事、江澤和彦・日本医師会常任理事、相澤孝夫・日本病院会会長、猪口雄二・全日本病院協会会長、松田晋哉・産業医科大学教授が、新たな地域医療構想への期待をテーマに発表した。

地域ごとに2040年の絵姿を

香取代表理事は、医療と介護の需要が増えている中で、資源が限られている現状を考慮し、2040年に向けた地域ごとの将来像を描く必要性を強調した。また、将来設計を基に今ある資源でどのように需要を満たすか考える「バックキャスト」のアプローチを取るべきと指摘した。

さらに、社会経済環境の変化に適応し、医療と介護の改革をより進めることを織り込んだ構想にするべきとした。具体的には、▽在宅医療・地域医療の強化は不可避▽テクノロジーの進歩は時間と空間を超える医療を可能とする▽現在の2次医療圏の大半は維持できなくなる▽家族介護力は当てにできない──ことなどを指摘した。

病床削減が前提ではない

江澤常任理事は、医療と介護の需要が増加しているにもかかわらず病床利用率が低下している現状に注目し、受療行動に変化が起きていることへの注意を促した。

地域における入院・外来・在宅等を含めた医療提供体制を考えることから、在宅医療圏は原則市町村単位とし、これらを包含する二次医療圏(構想区域)で病床機能等と緊密な連携を図るべきとした。名称も「地域医療介護構想」に変えることを提案した。

また、現状の地域医療構想は当初、特に看護配置7対1病床を念頭に病床削減を目指すものだと誤解され、医療現場から反発が生じた経緯を指摘した。そのため新たな地域医療構想では、関係者の理解を得るため丁寧な議論の進め方が必要であることを強調した。

(その他の意見は社会保険旬報本誌でお伝えします)

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