2024年度予算案を閣議決定 高齢化による自然増を1400億円圧縮(2023年12月22日)
政府は12月22日、2024(令和6)年度予算案を閣議決定した。【社会保険旬報編集部】
厚生労働省の一般会計は33兆8,191億円で過去最高を更新した。大部分を占める社会保障関係費は33兆5,046億円で6,734億円(2.1%)の増加となっている。これは年金・医療・介護・雇用・福祉等の経費であり、義務的経費以外の裁量的経費も含まれる。年金スライド分を除いた高齢化による社会保障関係費の伸びは3,700億円程度。薬価引下げや前期高齢者の納付金の報酬調整で国費の縮減を図る一方で、診療報酬・介護報酬・障害福祉等サービス報酬をプラス改定とするなど必要な対応も行い、結果として、高齢化による自然増を1,400億円程度圧縮する形となった。
12月20日に行われた武見敬三厚労大臣と鈴木俊一財務大臣の大臣折衝により、同時改定の改定率など予算関連の主要事項が決定した。政府全体の社会保障関係費を前年度(36.9兆円)からプラス8,500億円程度の37.7兆円に収めることで、社会保障関係費の伸びを高齢化による増加分の範囲内にするという夏の段階で決定した政府の当初の方針を達成した。
いわゆる自然増は8,700億円であったが、制度改革・効率化により1,400億円を圧縮。年金スライド分(3,500億円)を除くと、実質的な増加分は3,700億円程度となる。これに消費税財源を活用した「社会保障の充実等」が1,200億円加わり、政府全体の社会保障関係費の増加は、年金スライド分を含め、8,500億円程度となる。なお、高齢化による増加分には、65歳未満の人口の減少に伴う社会保障関係費の700億円の減少(医療が200億円減、保育給付等が500億円減)は含めない取扱いとなっている。
写真:政府与党政策懇談会で令和6年度予算について議論する岸田首相ら=2023年12月22日(首相官邸提供)