医療費助成受給者証や診察券とマイナンバーカードの一体化に補助 デジ庁が共同セミナーで制度説明(2024年8月9日)
デジタル庁は8月9日、「医療機関・薬局向けマイナ保険証利用促進セミナー」をオンラインで厚労省と共同開催した。セミナーでデジタル庁は、「医療費助成受給者証」または「診察券」をマイナンバーカードと一体化するためにレセコン等を改修した場合の補助金制度について説明した。
デジタル庁は、マイナンバーカードに「①医療費助成受給者証」または「②診察券」を統合することによる医療機関・薬局へのメリットとして、データ連携による医療事務コストの削減を強調した。
「①医療費助成受給者証」については、マイナンバーカードでの受付時に患者が「利用する」を選択することで、医事職員がオンライン資格確認経由で医療費助成の情報を確認することが可能となる。
「②診察券」については、レセコン・再来受付機の改修により新規にできる「顔認証付きカードリーダー利用者リスト」から、患者氏名や生年月日、患者番号等の情報を既存の「患者受付登録一覧」に連携でき、マイナンバーカード一枚での受診が可能となる。
医療費助成受給者証のオン資は、令和6年度全国156自治体で実施を予定
「①医療費助成受給者証」のオンライン資格確認については、令和6年度は全国156の自治体で実施を予定している。自治体名や対応する受給者証の種類(難病・小児慢性・自立支援医療の国公費や「マル子」等の地方単独事業)は「令和6年度PMH(医療費助成)先行実施事業の公募結果について」から確認可能だ。
「①医療費助成受給者証」のオンライン資格確認の実施に当たってのレセコン改修への補助金は、病院は56.6万円を上限に1/2を補助(上限28.3万円)、診療所・薬局(大型チェーン薬局を除く)は7.3万円を上限に3/4を補助(上限5.4万円)、大型チェーン薬局は7.3万円を上限に1/2を補助(上限3.6万円)となっている。
なお、「②診察券」利用に伴う改修を行った場合は、対象経費に含めることができるが、補助金の上限額は同一であり、重複して請求はできない。
マイナンバーカードを診察券として利用
「②診察券」とマイナンバーカードの一体化については、レセコン・再来受付機の改修等により、マイナンバーカードを診察券として利用可能(マイナ診察券)となり、診察券番号を入力しなくても患者情報がレセコン画面に反映されるようになる。
「②診察券」とマイナンバーカードの一体化実施に当たってのレセコン・再来受付機の改修等は補助対象となる。補助金は、診療所または再来受付機のない病院については、上記「①医療費助成受給者証」のオンライン資格確認に係る補助金と同額である(5.4万円上限または28.3万円上限)(下図)。
病院で再来受付機等の改修を含む場合は、補助要件の別により、「120万円を上限に1/2を補助(上限60.0万円)」または「120万円を上限に1/3を補助(上限40.0万円)」のどちらかとなる。
マイナ診察券に係る補助金は、診察券廃止が要件ではない
なお、再来受付機は改修だけではなく、購入した際のオプション費用も補助の対象となる。
また、この補助金の要件として、「診察券を廃止すること」までは求められていない。
補助金の申請は令和7年1月15日まで
「①医療費助成受給者証」または「②診察券」のマイナンバーカードの一体化に伴う改修費への補助金は、令和5年11月11日以降令和6年12月31日までに実施した改修が対象となり、その申請期間は令和7年1月15日までとされている。①・②に係る改修は、別々に実施することも可能だが、その場合でも申請は一括で行い、複数回の申請はできないこととなっている。
また、補助金申請は、改修完了後に「医療機関等向け総合ポータルサイト」で申請を行い、その際必要となるのは、領収書、内訳書、システム改修に係るチェックシート(ベンダー記入)の3点となっている。
関連書籍
オンライン資格確認、電子処方箋、マイナ保険証、医療DX工程表等については、社会保険研究所発行『医療DXの今後に向けて 電子処方箋・オンライン資格確認Q&A(令和5年4月版)』が詳しい。