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#社会保障審議会

介護保険に新たな公費投入を求める声も 制度改正議論がスタート――第116回介護保険部会(2024年12月23日)

厚生労働省は12月23日、「第116回社会保障審議会介護保険部会」を開催した。 議題は「介護保険制度をめぐる状況について」となっており、主な検討事項案などが示された。 これにより、2027年度から始まる第10期介護保険事業計画実施期間に反映される、介護保険制度の見直し議論がスタートされた形となる。 今後、2025年末までのおよそ1年をかけた議論を行い、制度改正へと進められていく見込みとなっている。 5つのテーマ案を設定し、新たな検討会を設置次期制度改正に向けた状況とし

介護保険法、公的DBでの仮名化情報活用に向け改正へ――第115回介護保険部会(2024年12月9日)

厚生労働省は12月9日、「第115回社会保障審議会介護保険部会」を開催した。 議題は「①医療等情報の二次利用に係る現状と今後の対応方針について」と「②要介護認定の認定審査期間について」。 このほか、その他として「介護DXの先行実証について」および「「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」の中間整理について」が報告された。 介護DBとは異なる新たな公的DBを設定―仮名化情報の利活用へ「①医療等情報の二次利用に係る現状と今後の対応方針について」では、二次利用を進めてい

適用拡大のとりまとめ受け医療保険制度を見直し 年内に結論(2024年7月3日)

社会保障審議会医療保険部会は7月3日、同省の「働き方改革の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」(以下、懇談会)の議論のとりまとめについて報告を受け、議論した。厚労省は懇談会のとりまとめを受け、医療保険の部分は医療保険部会、厚生年金の部分は年金部会でそれぞれ具体的な制度の見直しを議論し、年末までに結論を出す方針だ。 懇談会は7月1日の第8回会合で取りまとめ案を概ね了承し、同3日に厚労省が議論のとりまとめを公表した。とりまとめでは、基本的な視点として被用者保

介護保険被保険者証のマイナカード使用など介護情報基盤について検討――第113回介護保険部会(2024年7月8日)

厚生労働省は7月8日、第113回社会保障審議会介護保険部会を開催。 介護情報基盤に係る法的規定を2026年(令和8年)4月1日施行を目指すとするスケジュール案などが示され、市町村・介護事業者などで必要となる準備など、実施に向けた課題が整理された。 2023年5月に公布された、「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」により、被保険者・介護事業者その他関係者が介護情報等を共有・活用することを促進する事業が地域支援事業に位置づけら

加算対象職員の拡大範囲も確認を、令和6年度介護従事者処遇状況等調査を議論――第39回介護事業経営調査委員会(2024年6月25日)

厚生労働省は6月25日、第39回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会を開催。 令和6年度介護従事者処遇状況等調査の実施について議論した。 「介護職員等処遇改善加算」の一本化を踏まえ調査項目を見直し介護従事者処遇状況等調査は、介護従事者の処遇の状況及び処遇改善加算の影響等の評価を行うとともに、介護報酬改定のための基礎資料を得ることを目的として実施するもの。 施設・事業所を対象に、給与等の状況や処遇改善加算の届出状況、給与等の引き上げ以外の処遇改善状況等を調

分娩取扱施設の96%がサービスの特色や出産費用を公開予定(2024年4月10日)

社会保障審議会医療保険部会(田辺国昭部会長)は4月10日、出産費用の見える化等について報告を受けた。全国の分娩取扱施設に関する情報の提供を行うウェブサイトについて、昨年11月に全国の分娩取扱施設に対して調査を行った結果、全国の96%の施設が掲載見込みであることがわかった(病院98%、診療所93%、助産所97%)。 あわせて、出産費用の見える化を推進する観点から、出産育児一時金の直接支払制度の実施要項において、「年間分娩件数が21件以上の分娩取扱施設については、直接支払制度を

5月から7月に集中取組月間 マイナ保険証利用促進(2024年4月10日)

社会保障審議会医療保険部会(田辺国昭部会長)は4月10日、マイナ保険証の利用促進等について議論した。4月25日の日本健康会議で「マイナ保険証利用促進宣言」を行い、これを皮切りに5月から7月にかけて「マイナ保険証利用促進集中取組月間」を実施することが報告された。 集中取組月間では、医療現場における利用率アップ対策を見直し、集中取組月間限定の一時金(最大10万円、病院20万円)を支給する。 また、関係団体と連携し、①医療機関・薬局の窓口での共通ポスターの掲示②来院患者への声か

職業紹介事業への対処求める 社保審医療部会(2024年2月9日)

社会保障審議会・医療部会は2月9日、医療・介護・保育分野の職業紹介事業などをめぐり議論した。病院団体の委員などから、医療・介護従事者を紹介する事業者の手数料に大きな幅があり、一部が高額であることなどの問題への対処を求める意見が相次いだ。【社会保険旬報編集部】 厚労省は、紹介手数料の公開など紹介事業者の情報公開や適正事業者認定制度の基準見直しを進めるとともに、ハローワークの強化を図っているとした(下図)。また、法令に違反する紹介事業者への指導監督の実施や、求人者向け相談窓口の

介護報酬改定議論に決着、4つの施行時期で実施へ(令和6年4月・6月・8月/令和7年8月)

厚生労働省は、1月15日に第238回社会保障審議会介護給付費分科会を、1月22日に第239回社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。 第238回分科会では運営基準等に関する事項に係る諮問・答申が、第239回分科会では介護報酬改定案に係る諮問・答申が行われた。 指定基準等については、1月25日に省令が公布され、介護報酬改定係る内容についても現在パブリックコメントにかけられている(意見募集は2月21日まで)。 『令和6年度介護報酬改定に伴う関係告示の一部改正等に関する御意

多床室月8,000円相当一部老健・介護医療院に室料導入へ、居住費は日60円引き上げに――第237回介護給付費分科会(2023年12月27日)

厚生労働省は12月27日、第237回社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。 令和6年度介護報酬改定の改定率のほか、介護報酬改定審議報告において「予算編成過程において検討する」としていた、「多床室の室料負担」および「基準費用額(居住費)」の見直しについて報告した。 改定率は+1.59%に、3年目の処遇改善は8年度予算時検討12月20日の予算大臣折衝を経て決定した、令和6年度の介護報酬改定率は、+1.59%。 その内訳は、介護職員の処遇改善分が+0.98%(令和6年6月

所得420万円以上は保険料乗率増へ、2割負担の範囲見直しは2026年度までに結論――第110回介護保険部会(2023年12月22日)

厚生労働省は12月22日、第110回社会保障審議会介護保険部会を開催。 給付と負担に関する内容や今後の介護保険法施行規則改正等について、報告が行われた。 保険料設定の多段階化、乗率0.285~2.4の13段階に給付と負担に関しては、「1号保険料負担のあり方」と「一定以上所得の判断基準」について報告が行われた。 「1号保険料負担のあり方」は、介護保険制度の持続可能性を確保する観点から、1号被保険者間での所得再配分機能を強化するもの。 国の定める標準段階を9段階から13段

介護改定6月施行は「訪問看護」等4サービス、審議報告とりまとめへ――第236回介護給付費分科会(2023年12月18日)

厚生労働省は12月18日、第236回社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。 前回に引き続き、令和6年度介護報酬改定に関する審議報告(案)について議論。案はおおむね了承され、今後厚生労働省のホームページに公表される見込みだ。 また、議論のなかで厚生労働省より施行時期に関する説明があり、「訪問看護」「訪問リハビリテーション」「居宅療養管理指導」「通所リハビリテーション」は6月施行、その他のサービスは4月施行とする方針が示された。 審議報告を了承、老健局長「改定率を踏まえ

令和6年度診療報酬改定の基本方針を了承 社保審の医療保険部会と医療部会(2023年12月8日)

社会保障審議会の医療保険部会と医療部会は12月8日、令和6年度診療報酬改定の基本方針案を概ね了承した。【社会保険旬報編集部】 他産業に後れない待遇改善 高齢者の救急医療を追記8日の医療部会では、処遇改善への言及が目立った。看護の賃金アップを求める声があがるなか、日本赤十字社医療センターの木戸道子委員は、「特定の職種に限らず、全職種で他産業に後れを取らないような待遇改善を行う必要がある」と総括した。 「具体的方向性」を掘り下げた「骨子」で、「高齢者の救急医療の充実及び適切な

新要件に経過措置・新処遇改善加算案の概要、ICT活用等の新加算などを紹介――第233回・第235回介護給付費分科会より

12月11日に開催された第235回社会保障審議会介護給付費分科会において、令和6年度介護報酬改定に関する審議報告(案)が示された。 このうち、【3】良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくりのうち、「介護職員の処遇改善」と「生産性の向上等を通じた働きやすい職場環境づくり」については、11月30日に開催された第233回分科会で議論された内容となっている。 今回は、過去の記事では取り上げていない第233回分科会の資料を交えて、この内容を紹介する。 (審議報